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2016.07.12

その皮膚のかゆみは内臓に問題があるのかもしれません

吉田 貴子

その皮膚のかゆみは内臓に問題があるのかもしれません

皮膚のかゆみや湿疹が出ると、化粧品や塗り薬で対応する人は多いかもしれません。しかし、実は、内臓の問題が皮膚にあらわている可能性があるのです。全身磨きは、カラダの内側の調子を知ることも含まれます。

カラダの内側からも全身磨きを

「木を見て、森を見ず」、このことわざは私たち医師が犯しやすいミスへの戒めとしてよく使われるものです。小さな所見に目を奪われ身体全体を見ないと大きなことを見落とす場合があります。その人の改善すべき問題が何か視点を変えて考えなくてはいけないと思うのです。

今回は皮膚科医である私が内科的なマクロの視点からお話しします。内科疾患で現れる皮膚のサイン、皮膚を見るとカラダがわかる、そんなカラダの中からの全身磨きです。

内臓の状態や血行の調子、ホルモンバランス、ストレスの有無などが複雑に絡み合って、皮膚の状態となります。不健康や不調の症状として、皮膚には荒れや湿疹、じんましんがよくみられます。内臓に問題があると皮膚にかゆみをはじめとした何らかの兆候が現れてくることがあり、これを「デルマドローム」と呼びます。特に、肝臓や胃腸、腎臓、糖尿病、悪性腫瘍などが原因で皮膚に症状が生じることが意外と多いと感じています。

・肝臓からくるデルマドローム
肝臓のトラブルから起こる症状で主なものはかゆみです。(1)見た目に異常がなくてもかゆい(2)かいてもかゆみが治まらない(3)かゆみで眠れない(4)かゆみ止めのお薬が効きにくい、このような場合の原因は肝臓かもしれません。慢性的な肝臓病をお持ちの方を対象としたアンケートでは20-30%の方がかゆみを自覚しています。これは、かゆみを制御する物質のバランス異常が原因のひとつと考えられています。ちなみに、最近このかゆみに対する新薬が登場しています。

・胃腸からくるデルマドローム
胃がんの99%に関連するとされるピロリ菌による影響のひとつに蕁麻疹など皮膚トラブルがあるのをご存知でしょうか。ピロリ菌が関与する皮膚疾患はいくつか指摘されていますが、よくみられるものはダントツで蕁麻疹です。ピロリ菌による蕁麻疹は胃に住みついているピロリ菌の毒素や死んだ組織などの影響で発症するものです。もともと何かの感染による蕁麻疹は扁桃腺炎、虫歯、副鼻腔炎が主な原因でしたが、ピロリ菌に感染した蕁麻疹の患者さんたちに対しピロリ菌の除菌をしたところ65~80%もの人に蕁麻疹の改善がみられたとの報告があります。つまりピロリ菌に感染している方が胃の不調を訴え、さらに蕁麻疹などの皮膚の異常が現れた場合は、ピロリ菌の除菌で連鎖的にどちらも良くなる可能性があります。

・腎臓からくるデルマドローム
腎臓の機能が低下し、特に透析療法が必要になるほど悪化した患者さんは強い皮膚のかゆみに悩まされることがあります。掻き続けるうちに、二次的な皮膚病変が生じてきます。盛り上がった小さな発疹ができ、変性した真皮が排出される現象がしばしばみられます。腎臓からくるむくみは、膝下の前面によく現われるのは有名です。また、逆に腎臓機能の低下をもたらす皮膚疾患も多いため、腎機能の検査をしてみるのも良いでしょう。

・糖尿病からくる皮膚のサイン
一般に、糖尿病患者の約30%に、なんらかの皮膚病変がみられるといわれます。そのなかには、比較的糖尿病に特有の皮膚病変、リポイド類壊死症という病気があります。これはおもに膝下の前面に毛細血管が拡張した黄赤色の斑点ができます。大きさは大小さまざまで、形は円形に近く表面はなめらかです。この症状が出た人に糖尿病の検査をすると、ほとんどの方になんらかの糖尿病に関連した所見が見つかります。そして最近増えているのが、糖尿病性壊疽。おもに足の指に潰瘍ができ、壊死もみられます。きっかけは、きわめて小さな外傷、熱傷、靴ずれなど些細なことから起こります。糖尿病の患者さんは水虫や毛穴に一致した毛嚢炎などの感染症も起こしやすく、ときに生命にかかわる場合もあります。

・悪性腫瘍からくるデルマドローム
明らかに皮膚炎のないかゆみは悪性疾患の潜在を強く疑います。悪性リンパ腫であることが多いのですが、内臓のがんが、皮膚に転移する場合もあります。皮膚にできた腫瘍を調べると、体内のがんの存在、例えば胃がんや肺がんの存在がわかることがあるのです。悪性腫瘍が長く体内に存在していると、からだは痩せ細り、皮膚は黒ずみ、張りも失われていきます。

内臓と皮膚症状は他にもたくさんあります。今回は、フル回転で皆さまに是非この機会に知っておいてほしい所見をお伝えしました。原因が分からず皮膚を掻き続けると炎症を悪化させてしまいます。それから当クリニックを受診される患者様もときにいらっしゃいます。治りにくいかゆみや皮膚の症状は怖がらずにお見せいただきたいと思います。

皮膚は身体全体を包み込む臓器であり、内臓の状態を写し出す鏡とも言えます。今までと違って難しいお話しにはなりましたが、おわかりいただけたでしょうか。「全身磨き」は実は見えないカラダの中を気遣ってこそできることなのです。
 

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