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2016.06.21

『日本全国津々うりゃうりゃ』文庫発売記念!試し読み「妙義山」パート1

妙義山の中腹には、向こう側が透けて見える穴がある!? よーし! 見に行こう!
《カラーで読める!特別記念版》

宮田 珠己

妙義山の中腹には、向こう側が透けて見える穴がある!? よーし! 見に行こう!<br />《カラーで読める!特別記念版》

妙義山に興味を持った宮田さん。
山の中腹にある、向こう側が透けて見える穴には、「星穴」なんてロマンチックな名前がついていたり、
山腹の道にある、僧が本を読んでいるかのように見える自然石は「本読みの僧」と呼ばれていたり。
面白そうなものがいっぱいありそうな山だが、とても険しいので普通の体力では無理ぽい……。そんな難所へ挑む宮田さんの仲間とは――!?
今回より「妙義山」は全3回。ちなみに、今回カラー写真がありませんが、次回から、カラー写真満載で参ります!!

*  *  *

 昔、富岡鉄斎【とみおかてっさい】の画集で、「妙義山図【みょうぎさんず】」というのを見たことがある。
 ひと目見た瞬間、なんじゃこりゃ、と思った。
 そこには、まるで大地の把手のような岩が描かれていたからだ。
 ありえないだろ、こんな岩は。

ところがである。調べてみると、妙義山には本当にそんな岩があるのらしい。てっきりウソか誇張かと思っていたら、そうじゃないのだ。
 妙義山は、岩峰が林立したまるで山水画のような山で、日本では比較的珍しいタイプだ。なんでも、山の中腹には、向こう側が透けて見える穴まで開いており、星穴と呼ばれているという。見たい。そういう穴はぜひ見たいぞ。
 というわけで、当連載で行くことにした。
 同行するのは、テレメンテイコ女史と、以前秋山郷でも登場したH出版社の営業マン杉江氏である。杉江氏も、家族で軽井沢旅行に行った際、高速から見えるものすごい形の山に感銘を受け、いったいどんな山なのか一度現地へ行ってみたいと思っていたそうだ。
「家族に、ほら、すごい山だ、とか言っても、全然反応がなくて、なんだこいつら、と思ってたんですよ。奴らはアウトレットで買い物することしか考えてないんです。ロマンがないんですよ」
 だから、いずれ妙義山に行くことがあったらぜひ誘ってください、と前々から氏は言っていた。

 妙義山は、独立峰ではなく、いくつもの山からなる連山である。星穴は、そのひとつまさしく星穴岳と呼ばれる山にあり、その穴を見るには、手前にある白雲山【はくうんさん】と金洞山【こんどうさん】を結ぶ尾根に登る必要がある。
 この尾根は上級者向きで、ザイルワークを習得していなければ難しい。
 テレメンテイコ女史は、わたしはちょっと無理です、と腰が引けていたが、杉江氏については毎日のようにジョギングで軽く10キロは走り、フットサルチームでは得点王、子どものサッカーチームのコーチまで務めているほどのスポーツマンであるし、わたしもかつては山登りを趣味とし、各地の雪山や沢を登った経験があるので、なん、上級者コース恐るるに足らず、ガイドにルート案内を頼んで男2人で行こうではないか、と思って調べはじめたところ、妙義山の遭難者は谷川岳の一ノ倉沢よりも多い、妙義山侮【あなど】りがたし、死して屍【しかばね】拾うものなし、とか何かそんなことがネットに書いてあった。一ノ倉沢といえば、日本に名だたる山岳遭難の名所である。
 そういえば、妙義山には尾根道以外にも、山腹を歩いて縦断する中間道というのがあって、そこには「本読みの僧」と呼ばれる自然石があり、それがまさしく僧が本を読んでいるかのように見える面白い石らしく、本好きの杉江氏も見たいだろうから、そっちの中間道のほうにアタックすることに変更しようと思う。
 もちろん中間道とはいえ侮れないのであって、別名「関東ふれあいの道」と呼ばれている。名前を聞くだに恐ろしくて背筋が凍るではないか。岩と触れ合うぐらいそのぐらいギリギリに危険な道ということであろう。

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