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2016.06.16

流行るコインランドリー、廃れるクリーニング店

三原 淳

流行るコインランドリー、廃れるクリーニング店

株の世界の格言に「卵は一つの籠に盛るな」というのがあります。
財産を一つにするといざといういうときに耐えられないということですが、このリスクの分散は財産だけではなく収入源にもいえます。不確実な今の時代、たとえわずかな副収入でもあるのとないのとでは大違い、備えあれば憂いなしです。

サラリーマンにとっての最大のリスクマネジメントは副収入を得られる仕組みをつくること。この連載では『知っている人だけが儲かる コインランドリーの投資のすすめ』より、初心者でもリスクなく始められる投資術をご紹介します。
今回は一時期増えたクリーニング取次店がなぜ廃れていったのかを探ります。

一新されたコインランドリーへのイメージ

 もう、お分かりですね。家庭用洗濯機や乾燥機がどれだけ進歩しようと、業務用洗濯機や乾燥機の機能には遠く及ばないのです。

 さらに昨今の住宅事情もあります。洗濯物を干す場所にも制限があるのです。欧米では、洗濯物を人目に付くところに干そうものなら、一斉にご近所からクレームが飛び込んできます。それどころか警官がすぐに駆けつけてくるぐらいです。

 さすがに日本では、まだそこまではいきませんが、ベランダにも干しづらい雰囲気になりつつあります。高層マンションなど、そもそも洗濯物を干す場所なんてありません。それなのに、家庭用乾燥機ではかろうじて乾かすだけで、それでなくとも湿気の多い日本の風土ですから、満足できる仕上がりにはなりません。

 コインランドリーに備え付けられた業務用洗濯機や乾燥機の大型化、高品質化、効率化、時間短縮などの利点に、いち早く気づいたのは主婦たちでした。時代の変化によって自由な時間が少なくなった主婦たちにとって、コインランドリーは福音をもたらします。

そのような一新されたコインランドリーの爆発的な成長は、地方都市から始まりました。それも共働きの多い、福井県など日本海側から始まったことは特筆すべきでしょう。

 「そうだ! あそこにコインランドリーがあった」

 週末に、いつも通勤に使っている軽自動車の後部座席に洗濯物を詰め込み、道路沿いのコインランドリーへ。

 布団だろうと毛布だろうと、かさばるものでも一気に洗えます。雨が降っていようと、風が強かろうと、業務用乾燥機の仕上がりは、晴天の日の外干しよりも遥かにふかふかです。

 まして今のコインランドリーは、場末の銭湯の横にあったような薄暗い場所ではありません。オシャレで清潔、イメージを一新した店舗が増え続けているのです。

 その便利さが口コミで広がり、地方都市から始まったムーブメントは都会へと攻め上がってきています。


フルサービスのクリーニング店か、セルフサービスのコインランドリーか

 一時期、クリーニングの取次店も、フランチャイズ方式で増えていきました。ところがそれらのクリーニング取次店は、昔ながらのコインランドリーが廃れるのと同じように、1軒、また1軒と店仕舞いが続いています。 

 

  これらのクリーニング店は、形状記憶繊維の登場以降、売上げが激減しています。以前ならばクリーニング店でパリッと仕上げた、糊の利いたワイシャツがサラリーマンの必需品でした。それが今ではワイシャツに留まらず、中にはスーツなども形状記憶繊維でできていて、ウールマークの付いているような衣類以外は、自分で簡単に洗濯できるようになりました。


 さらに、機能性に優れた業務用機器を備えるコインランドリーの登場です。仕上げも遜色なく、違いといえば業者の手を煩わせるか、自分で機械を動かすかということだけです。

クリーニング店とコインランドリーには、フルサービスかセルフサービスかの違いぐらいしかなく、街のガソリンスタンドがどんどんセルフサービスに変わったように、少しでも経費を抑えたければ、クリーニング店じゃなくコインランドリーを選ぶようになるでしょう。

 それでなくても、クリーニング業界で取次店と呼ばれるお店は、もともと利幅が低いのです。常駐の店員が必要な割に、粗利は売上げ総額の2~3割程度です。そこから家賃や人件費などを引けば、ほとんど残りません。

 クリーニング店の主な仕事は、タグを付けて工場へ出すという一見誰にでもできそうな作業ですが、あれやこれやとクレーム対応に振り回されるなど、労多くして実りの少ない仕事の代表のように語られる有様です。これでは、クリーニング店が廃れ、コインランドリーが流行るのも、当然といえば当然のことかもしれません。

 毛布やタオルケット、羽毛布団なども、クリーニング店では、そこそこの高い料金設定です。さらに最寄りの店に持ち込んでも、すぐに仕上がるわけではなく、後日また取りに行くことになります。

 実は、ズボン1本にかかるクリーニングの実質経費は数十円に過ぎません。それなのに末端価格ともいえるお客さんの支払う料金は、安いお店でも400円程度です。この金額の差の理由は人件費にあります。取次店といわれる街のクリーニング店で受付をする人、工場で機械を回す人、アイロンをかける人、取次店と工場との運送に携わる運転手さんなど、さまざまな人が関わるクリーニング店は、実は労働集約型産業なのです。


それに比べると、コインランドリーは設備産業で、人件費はほとんどかかりません。コインランドリーのオーナーにとっては、設備した機械が自動的に利益を生み出すシステムなのです。

 一方でお客さんにとっては、利用価値の高い業務用洗濯機や業務用乾燥機を自由に使える便利なスペースとなります。

 

次回「見た目ほど儲かっていない、あの副業」は6月19日(日)公開予定です。

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