ニューヨークで暮らすようになって、20年近くになる。

 学生時代に旅行で訪れて以来、ニューヨークは、私にとって自由を象徴する街だった。社会の中に居場所を見つけられないフリークやアウトサイダーを受け入れてくれる街。どんな人間だって自分自身でいられる街。新卒の採用システムの中で、自分が評価されるとは思えず、かといって、オルタナティブな進路があることも知らなかったから日本を飛び出すことにして、アメリカでの大学院留学を志願した。

 憧れのニューヨークにある名門学校への入学はかなわなかったけれど、記念受験のつもりだった隣の州の大学院には入学を許され、留学時代には時間を見つけてはニューヨークに遊びに行った。

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佐久間裕美子『ピンヒールははかない』

ニューヨークで暮らすようになって、もうすぐ20年になる。
ここでは「シングル=不幸」と思わせるプレッシャーがない。
周りには、果敢に恋愛や別れを繰り返しながら、社会の中で生き生きと頑張っている女性が山ほどいる。一生懸命生きれば生きるほど、人生は簡単ではないけれど、せっかくだったら、フルスロットルでめいっぱい生きたい。だから自分の足を減速させるピンヒールははかない。
大都会、シングルライフ、女と女と女の話。