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2016.03.08

第8回

なぜ日本の商品やサービスの「質」は、世界で評価されるのか?

りばてぃ

なぜ日本の商品やサービスの「質」は、世界で評価されるのか?

人気ブログ「ニューヨークの遊び方」の著者で、マーケティング・コンサルタントの「りばてぃ」さん。今回はニューヨークに住んでいるからこそ感じ取れる、日本人ならではの美徳とその副産物に迫ります。

日本国内では、とにかく「流行」「売れ筋」に大勢の人々が集まりやすいのではないかと思う。

これは、商品やサービスを買う「買い手」、つまり、消費者に限ったことじゃない。それらを売る「売り手」の小売店や、生産する「作り手」の企業なども含め、日本では、みんなが『売れ筋』に集まりたがるのではないか。

「売り手」や「作り手」が「売れ筋」に集まりたがる理由は明白だ。

大量に売れる「売れ筋」の販売に力を入れた方が、よりいっそう効率的に多くの利益をもたらすからだ。経営者の視点に立って考えてみれば、ごくごく自然で、当たり前と言ってもいいだろう。

さらに、そうした小売店や企業がスポンサーになっている日本のマスコミも、必然的に、「流行」「売れ筋」の話題に注目し、関連報道が増えていく。だから、日本では「ヒット商品番付」とか「売れ筋商品ランキング」など、マスコミで取り上げられる流行に関する報道も多く、さらに多くの人々が「売れ筋」に集まるようにもなる。

しかし、「売り手」や「作り手」やマスコミが「売れ筋」に集まるのは、まぁ、分かるとしても、そもそも、なぜ日本では、大勢の「買い手」までもが「売れ筋」に集まるのか?

いろいろな理由が考えられるが、大きな要因は、日本国内に住む日本人は、基本的に同じ「文化」「価値観」「ライフスタイル」を共有し、また、同じ「人種」「民族」だからだろう。

そのため、多くの日本人は「他の人が良いと評価するものは、たいてい自分にとっても良いものであることが多い」ということを経験を通じて知っている。

NYのアメフトチームの広告にもさまざまな人種の人が登場する

外見から明らかに自分と異なる「人種」「民族」の人々から何かを勧められても、「文化」「価値観」「ライフスタイル」なども自分とはまったく違う可能性もあるので、なかなか他の人の評価を鵜呑みにしない(できない)諸外国とは、日本はだいぶ環境が違う。

また、真面目で勤勉な日本人らしい、みんなが「売れ筋」に集まりやすくなる他の要因として、競争や競合が激しくなると、品質や性能が向上したり、新たなイノベーションが生まれやすくなり、その方が何かと良いとの認識が日本国内で広く共有されている…ということもあるのかもしれない。

後々、そんな日本国内での激しい競争で鍛え抜かれた日本製の品々が海外で発売されると、「さすが日本」、「またしてもメイド・イン・ジャパン!!!」などと称賛されることも多い。つまり、みんなが「売れ筋」に集まることにより、日本人は、ごくごく自然に、日々、国際競争力を高めているというワケだ。これはすごいことだ。他の国が真似しようと思っても、そう簡単に真似できることではない。

だから、実際に、第二次大戦の復興期が終わった後くらいから、ずっとずっと、今日まで、多くの日本製の品々が「さすが日本」、「またしてもメイド・イン・ジャパン!!!」などと称賛され続けているというわけだろう。

逆に言えば、諸外国では、日本のように1つの「売れ筋」まわりで競争が激化し、品質や性能を向上させるほどのプレッシャーはなかなか生じない、ということでもある。

例えば、ニューヨークとは、だいぶ状況が違う。

すでに見てきたとおり、ニューヨーク都市圏に在住する日本人は、同地域全体の人口のたったの0.2%。残りの99%以上の人々も、みんながアメリカ人ということではなく、世界中から集まった様々な人々によって構成されているので、いっせいに大勢の人々が1つの「売れ筋」に集まることは、滅多にない。

ニッチな市場が無数に多様に存在し、「ニッチからマスへ」と成長できる可能性も十分にある。

だから、ニューヨークでは、もし、ある商品やサービスの市場競争が激化してきても、「売り手」や「作り手」が別の商品やサービスの市場にターゲットを変えることも、比較的、簡単だ。

一方、日本では、どんなに競争が激化しても、別の市場に移るのはなかなか難しい。また、『売れ筋』以外は、その商品やサービスの本当の品質や性能や価値などとは関係なく、一部のマニアやオタク向けなどと見做されたり、一般的に価値の低いもの、魅力の弱いものだと軽く見られることも少なくない。

それほどまでに、日本国内には、同じ「文化」「価値観」「ライフスタイル」を共有し、また、同じ「人種」「民族」の日本人が多いということだ。

法務省の発表によると、日本国内の総人口である約1億2700万人のうち、2014年末の在留外国人数は、わずか212万人ほど*1 。比率にすると、約1.7%弱。また、2014年に日本に帰化した外国人数は9,277人(ここ4年間、毎年、だいたい1万人前後)*2

つまり、日本国内では人口の約98%が、日本人だ。ほぼ100%の圧倒的な存在感。

これは極めて重要な特徴だ。

なにしろ、この特徴のおかげで、日本人は、日本人ならではの考え方や美徳を、無意識のうちにでも身につけられているのかもしれないからだ。

それは、例えば、周りの人々に合わせようという「周囲への気配り」や「礼儀正しさ」から、「協調性」、「助け合いの精神」、「おもてなしの心」、「あうんの呼吸」、「人を信頼して任せること」などだ。

こうした日本人ならではの考え方や美徳は、日本国内では、まるで空気のように当たり前。多少の個人差はあっても、日本人なら、みんな、こうした考え方や美徳に基づき、極めて適切に振る舞える。

その身のこなしは、他のアジア人とは明らかに一線を画する。ニューヨーカー(特に有識者層)の中には、言葉を交わさず一見しただけで日本人だと見分けられる人も多い。

また、日本には、「一億総中流」、「村社会」、「世間体」といった英語に訳しにくい、つまり、英語圏ではあまり馴染みのない、日本ならではの言葉も多々あって、日常的によく見聞きする。

近年、趣味や嗜好が多様化し、特に、若い世代では、こうした状況も変わりつつあると言われてはいるものの、やはり若者の間でも、「空気を読め」とか、空気を読めない人を指す「KY(空気を読めないの略)」のような表現は、日常的に用いられており、周囲の人々への配慮を忘れない日本人らしさは、若い世代にも着実に受け継がれていると言えるだろう。

しかも、そのための特別な教育や訓練など受けていなくてもだ!!! 

なんて素晴らしいことだろう。長らく国外で暮らしていると、こうした日本の素晴らしさが、よりいっそう明瞭に浮かび上がって見えてきて、ジワジワと身にしみて分かってくる。

そして、他のあらゆるものがそうであるように、この日本ならではの素晴らしさにも、様々な副産物(副作用?)が存在することも、国外からだとハッキリと見える。

日本国内では「流行」「売れ筋」に大勢の人々が集まりやすい、ということも、そんな副産物の1つなのだ。

*1 参考資料「法務省 平成26年末現在における在留外国人数について(確定値)」 
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri04_00050.html

*2 参考資料「法務省 帰化許可申請者数等の推移」http://www.moj.go.jp/MINJI/toukei_t_minj03.html


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