直木賞作家井上荒野さんの『だれかの木琴』の映画化が発表になりました。平凡な主婦・小夜子が美容師・海斗から一本の営業メールを受け取ったこときっかけに、彼への執着をエスカレートさせ狂気に堕ちて行く様を、息苦しいまでに痛切に綴った長篇小説です。
“ストーカー主婦”を演じるのは常磐貴子さん。ストーカーに遭いながらも、どこか冷酷に対峙する美容師に池松壮亮さん。監督は、「もう頬づえはつかない」「橋のない川」「わたしのグランパ」などの名匠・東陽一さん。

 

 以下、井上荒野さんからの映画化によせてのメッセージです。
「だれかの木琴」はストーカーの物語です。「少しずつ」「だんだん」の物語でもあります。ごく普通の主婦が、ほんの些細なきっかけで、少しずつ、だんだんくるっていく。どこで間違ったのか。どこまで戻ればやり直せるのか。そんなことを考えながら観てくださると嬉しいです。
 一方で、原作と映画とは、べつものであるとも考えています。映画でしかできない表現というものがあります。ラストシーンで使う予定だという音楽について聞いたときゾクゾクしました。私の小説が、東陽一監督によってどんなふうに料理され、あらたな容貌を見せるのか。私自身も楽しみにしています。

 公開は今年9月の予定です。お楽しみに!

 

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