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2016.02.18

第5回 「週刊文春Woman」編集長・井﨑彩

スタートはいつもマイナス地点から

井﨑 彩

スタートはいつもマイナス地点から

 ベッキーのゲス不倫に育休議員(当時)のもっとゲスな不倫、甘利前経済再生相の現金授受、そして今週は……と、年明けから大スクープ連発の「週刊文春」。
 その文春が今年元日に初の女性版「週刊文春 Woman」を発行しました。編集長を務めたのは入社16年目の井﨑彩さん(40)。井﨑さんは就職氷河期の1999年に大手商社、銀行、新聞社の内定を蹴って文藝春秋に入社。1959年の「週刊文春」創刊以来、臨時増刊号も含め初の女性編集長となりました。その「週刊文春 Woman」は瞬く間に完売し……、あれ? 順風満帆な人生?

井﨑 安心してください、挫折してますよ。

――ということなので、では「とにかく明るい井﨑さん」にお話を伺いましょう。

◆生来の人見知りを克服する秘儀がある?


井﨑 いえいえ、私、本当は明るくはないんですよ。人見知りだし、ネチネチしているし、そもそもは引きこもり系です。子どものころは友だちもあまりいなくて、図書室に籠っているタイプ。小学校低学年の頃は伝記全集を片っ端から読んでいて、しまいには天皇家の系図を覚えては姉を相手に暗誦してみせたりしていました。小学校3年で山中恒さん(児童文学作家)の「ぼくがぼくであること」「サムライの子」を読んだのをきっかけに物語に目覚め、6年生のときの愛読書は谷崎潤一郎でした。

――ちょっと早熟な文学少女だったんですね。だから文藝春秋に?

井﨑 もともと習い事の帰りとかにひたすら雑誌を立ち読みする、たぶん地元のコンビニでは悪名高い少女で。その頃から「週刊文春」はよく手に取っていたんです。私たちの世代はマガジンハウスの「オリーブ」が全盛期で、私も小学校高学年からオリーブ少女だったんですが、高校時代に初めて「オリーブ」を超えるかという女性誌に出会ったのが、創刊まもない「CREA」。高校時代はJリーグ誕生前夜のサッカーの追っかけもしていたんですが(苦笑)、その頃「すごいスポーツ誌を見つけた!」と感動したのが「Number」。中学時代にはボブ・グリーンのエッセイを読んでいた時期もあった(当時は文藝春秋から発売)。
 就職活動を前にふと、私がハマったのは文藝春秋が出しているものが多いと気づいたんです。経済学科で銀行や商社も受けて内定もいただいたんですが、やっぱり文藝春秋を受けたら面接でも話が合って。隠れ引きこもりの私でも、この会社ならばちゃんと働けそうな気がしました。

――なるほど。でも雑誌編集者って、かなりハードなお仕事なのでは?

井﨑 そうですね、徹夜もありますし、確かにハードです。最初の配属は月刊誌「文藝春秋」の編集部でしたが、私は文春の雑誌が好きだと言いながら、あろうことか「本誌」と呼ばれるほど社の象徴的存在であるこの月刊誌を読んだのは採用面接前の一回だけ。いわばマイナスからのスタート、しかも、お仕事をさせていただくのは作家も評論家も大物ばかり。緊張しながらも仕事を覚えようと必死で、昼夜がわからなくなるほどでした。
 実際、会社の仮眠室で1時間しか寝ていないのに13時間寝たと思い込み、朝7時に電話して執筆者の方を叩き起こしたこともあります。新人でも特集のプランを出さなくてはならないのですが、私は密かに流行しているという性病の啓発記事を提案し、そのプレゼンで「私もときどき痒いんですけど」と言っちゃって、編集会議を妙な空気にしてしまったことも。なんか変な新人が入ってきたと思われていたようで。

――いっぱいいっぱいになると昼夜の区別……はともかく、何を言っているのか自分でもわからなくなることはありますよね。それにしても井﨑さん、エピソードからはスコーンと明るい人にしか思えないんですけど。

井﨑 あ。それは私、人見知りを克服する努力をしていますから。とくに就職活動中は、五郎丸選手にキック前の精神集中のポーズがあるように、私にも秘密のローテーションがありました。でもこれ、絶対に書けない話ですが……。

――伺うだけは伺いましょう。

井﨑 現場に着いたら用を足すんです、大きいほうの。

――文春OL 委員会的に言うと「大蛇」ですね。

井﨑 さる会社ですごく早く着いたので用を足してみたら、スッキリ緊張が取れて試験にも通ったんです。某商社の一次面接では、まさにトイレに入ったところで名前を呼ばれちゃって。面接者の方に「キミ、探したよ」と怒られて「はいっ」と答えた。これが猛烈な恥ずかしさを乗り越えた瞬間です。以来、ここぞというときには大蛇を。

――それ、絶対に書きます(笑)。しかし、生理現象をよくコントロールできますね。

井﨑 一種の特技でしょうね。もっとも、そうそうトイレに行ってばかりいられませんから、ヨシッと自分にスイッチを入れることを覚えました。出勤前にスイッチを入れ、帰宅するとオフにする。

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