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2016.01.23

第5回

ニューヨークの化粧品広告には「美白」の文字がない!

りばてぃ

ニューヨークの化粧品広告には「美白」の文字がない!

人気ブログ「ニューヨークの遊び方」の著者で、マー ケティング・コンサルタントの「りばてぃ」さん。今回はニューヨークの多様性がビジネスを生むヒントに迫ります。

ニューヨークが世界一トレンドを生み出す街になった大きな理由の1つは、この街が「多様性の街」だからだ。

ニューヨークで親しい友人などができれば、「多様性」を体感する機会はさらに増える。

例えば、アメリカ人の友人のホームパーティに誘われて、食事の後に、手作りのケーキが出てきたとする。

友人の家族は、ご主人やお子さんたちもみんな口を揃えて「このケーキは美味しいよ」と自信満々の笑顔。喜んで一口食べてみると、日本人の味覚では、甘すぎて完食できそうもない、なんてことがあっても驚かなくなった。

そう、そもそも食文化が違うのだ。

あるいは、インド人の友達に「日本人はカレー好きなんでしょ?」などと誘われて、本場の味が楽しめると絶賛するインドカレー屋さんに連れていってもらったとする。

肝心のお勧めのカレーが日本人には辛すぎてなかなか食べられない、なんてことがあっても、逆に、異文化を体感する良い機会になったと楽しく思えてくる。

街角の売店で、レジに長い行列ができているのに、店員さんがお客と談笑しながらゆっくりとレジを打っている、なんてこともよくある。

そんな時、

「たぶん、この店員さんの出身国や出身地では、レジを早く打つことより、お客さんと会話して楽しませることの方がより良いサービスと考えらているのかも?」

などと、『文化』の違いによる勤労意識や働き方の違いについて思いを巡らせてみる。

最初は、その店員さんについて、いろいろと想像しているが、同じような経験を繰り返していくと、何かの拍子に「自分はなんでこう感じるのだろう?」などと、自分自身が持っている日本の『文化』について考えるようになったりして、改めて気づかされることも増えていく。この感覚がたまらなく好きだ。

広い世界には、日本と異なる本当に多様な『文化』が確実に存在し、そうした異質な『文化』に接した時こそ、日本人である自分自身について、ハッキリとよく分かるような気もする。

こうした考え方が育まれていくのも、「多様性」溢れる社会が持つ魅力の1つなのかもしれない。また、この魅力が、世界中から数多くの人々をニューヨークに引き寄せる大きな要因の1つとも言えるだろう。

少し話が脱線するが、逆に言えば、あまりにも同じ『文化』や『価値観』や『ライフスタイル』を共有している、同じ『人種』や『民族』の人々の中にいると、自分自身がどういう人間なのか、イマイチ分かりにくいのかもしれない。

それはまるで、無人島に一人でいるようなものだ。

無人島に一人でいたら、自分が背が高いのか低いのかも、痩せているのか太っているのかも、優しいのか真面目なのかも、何もかもイマイチよく分からない。

自分の本当の能力や才能にすら、気づけないかもしれない。

なぜなら、「比べる相手」がいないからだ。それと似たような状況が、極端な同質社会には存在する。

これは重要なことなので、また機会を改めて書くとして、話を戻そう。

他にもまだまだいくらでも、「多様性」を感じさせる事例はある。1つ重要な事例があるので、ご紹介しよう。

日本のコンビニや書店の雑誌コーナーにある女性向けのファッション雑誌や、薬局やデパートの化粧品売り場などに行くと、必ず見かける「美白」の文字。

あっちにも「美白」、こっちにも「美白」と、「美白」の文字が飛び交っているが、ニューヨークでは、雑誌コーナーや化粧品売り場を、どんなに探しても、「美白」なんて意味の単語を見かけることはまずありえない。

なぜなら、人種差別になってしまうからだ。

下手すると、訴訟になって、その出版社や化粧品会社、さらにはそれらを販売するお店まで、莫大な賠償金を支払わされることになる。

じゃあ、「美白」の代わりに、どんな言葉がキャッチコピーになっているのか?

それは、「自分本来のナチュラル・ビューティー」とか、「自分らしい美しさ」など、あらゆる肌の色の女性にアピールできる言葉だ。

「自分本来の」とか「自分らしい」という表現は、「美白」という1つの答えではなく、一人一人にいろいろな答えがあるよ、いろいろな答えがあって良いんだよ、ということを暗示する。

こんなところにも不思議な解放感を覚える。なんだかよく分からないのにワクワクしてくる。

なお、実際に、多様な人々のニーズに応じて、こちらで販売している化粧品、例えば、ファンデーションやヘアカラーなどの色や性質は、めちゃめちゃ豊富だ*1

NYのスーパーのヘアカラー・コーナー。

それどころか、既存のブランドの商品は、自分の肌に合わないなどの理由から、天然素材を使って自ら化粧品を作る方々も、ニューヨークには、結構、いっぱいいる。

そこから発展して、ベンチャー企業として自らコスメ・ブランドを立ち上げる方々までいて、中には、8歳の少女が作ったニューヨーク生まれのコスメ・ブランド!? なんてものまであったりする*2

そのコスメ・ブランドの名前は、「ウィラ」(willa)。

8歳の頃から、ママとお化粧遊びをするようになったウィラ・ドス(Willa Doss)ちゃんは、いろいろ試しているうちに、天然素材を使った本当に肌に良いスキンケアができちゃったそうで、ママに協力してもらってこのコスメ・ブランドを作ったのだとか。

可愛すぎる起業秘話だ。

確かに、幼い女の子が、ママのお化粧品を使ってみたいと思うのはよくある話だが、大人が使っている化粧品の中には、子どもの肌には有害な成分を含むものや、少量でも高額なものも多く、自由に子どもに遊ばせるわけにはいかない。

そこで、ウィラちゃんとママは、キュウリを使ったパックとか、ハチミツ入りのリップクリームなど天然素材を使ったスキンケアを自作した。ウィラちゃんのアイデアを取り入れ、楽しみながら本当に良質なスキンケア製品を作ってしまったのだという。

楽しみながらやると上達が早いと言うが、まさにそんな感じなのかもしれない。

ウィラちゃんが12歳になった2012年から製品の販売を開始したところ、子どもが使用しても安全なコスメとして注目を集め、すぐに、ニューヨークの高級デパート(ヘンリ・ベンデル)の化粧品売り場でも取り扱われるようになるなど、当時、大きな話題を呼んだ。

これも、いかにニューヨークが「多様性の街」であるかを示す、事例の1つと言えるだろう。

ここまでニューヨークの多様性についていくつもの事例をご紹介してきた。次回はその多様性の中で、具体的にどのような手段でトレンドが拡大していくのかについてご紹介する。

*1 著者ブログ記事http://nyliberty.exblog.jp/18163615/
*2   著者ブログ記事 http://nyliberty.exblog.jp/19309109/

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