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2013.11.15 公開 ツイート

特集「清須会議」をもっと楽しむ!

担当編集者に聞く。
小説『清須会議』はいかにして生まれたか? 菊地朱雅子

本は編集者しか待ってないから書けない!?

――出会った当時から、三谷さんの印象は変わりましたか。

最初の印象とはかなり違って、ざっくばらんに話ができて提案もいろいろ聞いてくれて……。とても楽しく、刺激的に仕事ができました。
本が発売されたとき、三谷さんはすごく喜んでくれました。みずから書店巡りをして、平積みになっている本をいちいち写メに撮って送ってきてくれたので、私も焦って、いろんな書店から写メを送りました(笑)。
17年前にも小説を出しているので「初の小説」とは言えないけど、三谷さんが子どもの頃から本当に書きたかったテーマを有言実行で書いた本がたくさんの読者に読まれたし、その年の時代小説ランキングでもいい順位をもらいました。脚本家としてではなく、小説家としての評価をしていただいたと思います。

 

――よく見ると、表紙のイラストも凝っています。

秀吉はスマホを手にしていて、勝家は新聞を脇に置いているんです。イラストをお願いしたホセ・フランキーさんが、パッと見は時代ものだけれど、三谷さんテイストの現代的な雰囲気を入れようとアイデアをたくさん出してくださった。歴史と現代のさじ加減が難しかったです。三谷さんはすごく喜んでくれました。

 

――小説のおもしろさに目覚めて、定期的に小説を出したいということは?

すごくお忙しいときに「次の小説のテーマを考えつきました」とおっしゃっていたけど、やりたいことがあり過ぎる方ですから。個人的に三谷さんが現代小説を書いたらどうなるか、読んでみたいというのはあります。生誕60周年には、ぜひ、と思っています(笑)。
そういえば、執筆期間に三谷さんからずっと言われていたことがあるんです。「舞台や映画はプロデューサーや役者、スタッフら大勢が待っているけど、小説は担当編集者ひとりだけしか待っていない。もっと大勢に待っていてもらいたい。書けないのは菊地さんの応援が力不足だからです」って(笑)。

確かに、舞台はお客さんが会場にいて、映画は映画館に行けばいますけど、小説は読者との接点がないからお客さんの顔が見えない。その通りです。その度に「読者が待っていますよ」と励ましました。三谷さんは多くの人に待っていてもらって、かつ楽しんでもらいたい人なんですよね。

三谷作品は、年齢層や性別を限定しないのがよいところ。絶対におもしろいという自信がありますので、ぜひ小説を読んでいただいて、映画も観に行ってもらいたいですね。

(構成:小西樹里 写真:菊岡俊子)

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菊地朱雅子

ぴあ株式会社を経て、1995年1月幻冬舎に入社。「星星峡」編集長、幻冬舎文庫編集長、「GINGER.L」編集長を歴任して、現在、取締役。唯川恵氏、湊かなえ氏らの文芸、ミステリ作品をはじめ、さだまさし氏、小林聡美氏などの幅広い執筆陣を担当している

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