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2015.12.25

2015年の本から「生きること」を考える

幻冬舎 営業局

2015年の本から「生きること」を考える<br />

営業局Sです。

先日、紅白歌合戦を見たと思っていましたが、もう少ししたらまた紅白歌合戦。大晦日とお正月が一年の中で一番好きなので良いのですが、それにしても一年が早いと感じる今日この頃です。

大晦日は一年の出来事を振り返り、お正月は清々しい気持ちでこれから一年の過ごし方を考える。生きることについて考える時におすすめの本を、2015年に発売されたものから3冊選んでみました。

本の発売日から約一週間前、見本が届きます(あくまで幻冬舎のペースがこれで、会社によりさまざまかと思われます)。見本が届いた時に、営業総務経理のわたしが行う仕事がいくつかありまして、会社の販売管理システムに登録されている商品マスタと、商品本体に登録されているそれにズレがないかどうかをチェック。具体的には、ISBNコードと価格をチェックし、その他システム内に空白があれば埋めていきます。それが完了すると見本は書庫にしまわれるのですが、どうしても気になって手元に置いておく本が出てきます。

今年2月に発売された小野美由紀さん『傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』(幻冬舎文庫)は、「就活」とある通り、どう考えても自分よりかなり若い女性のエッセイ。しかし、何故か猛烈にアピールしてくる存在感があり、手放せずデスクに置いておきました。ある日読み始めたら一気読み、かつ、ズドンと腑に落ちる言葉のページを折っていったら折目だらけになってしまったほど、生きる上でとても大切なことが書いてあると感じた本です。

「メンヘラ」「傷口」という言葉がタイトルにあるので「自分には関係がないジャンル」と避ける方もいらっしゃるかもしれません。確かに小野さんの人生は壮絶です。しかし、小野さんがあの手この手で生き方を探っていくさまは、「あ、こういう方法、こういう抜け方もあったのか!」と、オリジナリティにあふれていて、かつ説得力があるのです。生きていると、良くも悪くも「何故あの時、ああいう行動に出たかわからない」ということがあると思いますが、それこそが、その人のオリジナルで、重要な分岐点であったりします。わたしも、24歳の時、「わたしは今、史上最強のバカだ」と実感した数日間がありました。思えば今の自分を支えているのは、その時の経験と覚悟です。

この本には小野さんが人からかけてもらった言葉が丁寧に書いてあり、かつ小野さんが人に伝えた言葉(これがまた、いいんです)も書いてあります。自分の感覚、人との出会いと会話がどれだけ重要かがわかりますし、どうも生きづらいと感じていらっしゃる方には、多面的にヒントが散りばめられていて、おすすめです。

12月に発売された『水上マーケットの朝、アヒル粥の夜 あっちこっちベトナム旅ごはん』は、京都を拠点に活動し、主宰する料理教室「Nam Bo」でベトナム、タイ料理を教える高谷亜由さん初めてのイラストエッセイ。高谷さんはベストセラーとなりドラマ化もされた『終電ごはん』でお料理を担当された方。『終電ごはん』の高谷さんのあとがきを読んだスタッフが、「高谷さん、お料理だけではなく文章もイケる」ということで企画が立ち上がりました。

アジア料理は大好きだけれど、わざわざその国に行ってまで…と思っておりましたが、この本を読んだ後「行かねばならぬ、ベトナム。」となりました。「夜ごはんに、ほんのり黄色がかったクレープのように薄くクリスピーな生地、その生地に埋め込まれるようにえびや豚が焼かれ、半月型に折られたすきまからもやしが元気にはみ出しているベトナム版お好み焼きバイン・セオ(←広げたからし菜にのせ、しそやミント、バジルなどのハーブとともに巻いて、甘酸っぱいたれにちゃぷんと浸してからかぶりつく)」…などなど、料理家ならではの詳細かつそそる描写。旅程や持ち物、お土産などのアドバイスも高谷さんの可愛いイラスト入りで描かれています。

高谷さんが20歳の学生時代に初めてのひとり旅をし、以来虜となり15年通っているベトナム。「それでもなお、私にとってのベトナムは、感動のアップデートの連続です」とおっしゃいます。長年通いつつもベトナムに真摯に向き合う高谷さんの生き方がそのまま表れていて、楽しく、可愛く、美味しそうだけれども、背筋も伸びる、素敵な本です。

「余命わずか3週間 あなたなら何を食べますか」という言葉の帯が巻かれているのは、9月に発売された青山ゆみこさん『人生最後のご馳走』。大阪市東淀川区にある淀川キリスト教病院ホスピス・こどもホスピス病院では、金曜の昼下がりに「リクエスト食」聞き取りのため、管理栄養士の大谷さんが病室をたずねてまわられます。食べたいもの、味付けの好み、量などをゆっくりと丁寧に。天ぷらやお鮨、秋刀魚の塩焼き、ポタージュ、お好み焼き、ステーキ、煮物、おうどん、鰻、ピザ、すき焼き…。患者さんのお一人お一人が、そのお料理について、どんな思い出があるか笑顔で語られます。

死を目前にし、そのことを受け入れた方々が、料理の思い出を語る時、身近で大切な人への思いやエピソードも語られ、その言葉には、特別なことではないけれども、日常生活の中の愛おしい結晶のようなものが、キラキラと浮き上がってくるのです。生きることと食のつながりを感じずにはいられませんし、大事なことに気づき、思い出させてくれる一冊です。

出版業に携わってすぐの頃、「本って一体何だろう」としばらく思っておりました。数年後に上司が、「本は人の精神だ」と言うのを聞いて腑に落ちたのですが、今回挙げた3冊も含め、本によって、わたしたちはお会いしたことのない作家の方の精神や、知らない世界に触れ、影響を受けることが出来るのです。本って片手で持てるぐらい小さいのに偉大だなと改めて思う一年でした。

来年もきちんとした気持ちで、この仕事に携わりたいと思います。

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