五郎丸歩とエディー・ジョーンズ、内山田洋とクールファイブ

 自分のツイートを振り返ってみたら、2015年の年始に、「正月休みに読んだというピケティを題材に、部下を説教している上司が隣席におり大変不愉快なので喫茶店を出ます。ピケティの前には、結婚できない女性は『7つの習慣』を読め、とも言っておりました。置かれた場所で枯れて欲しいです」という、なかなかナイスなツイートをしていた。人の消費行動とは繊細なもので、「これだけ流行っている理由も知りたいし、ピケティ、読んでみるか」と考え始めていた矢先に、見知らぬ上司がピケティを説教に使っていたことを受けて、購買意欲がみるみるうちに萎んだのである。

 その後、ある連載で、読んでもないのにピケティについての原稿を書くことになり、もしもトマ・ピケティがトマ・ゴンザレスという名前だったら日本ではここまで流行らなかったのではないか、と突飛な提言をした。突飛だが、不真面目なわけではない。「ピケティ読んだ?」と「ゴンザレス読んだ?」という語感の差異はとてつもない。英字表記「Piketty」ではなく、連呼したくなる日本語としての「ピケティ」。パピコ、プッチンプリン、ペプシ、カルピス……半濁音が含まれる商品が馴染みやすいことは、それらの商品力が立証し続けているが、年始から上司がついつい上機嫌でピケティを語ってしまったのも、ピケティがゴンザレスではなかったからなのだ。いくつもの議論を端折ると、だから、ザハ・ハディドは語られにくかったのだ。

 漁師が一世一代の決心で購入した漁船につけた名前のような五郎丸も、…

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