定の評価は与えていい2015年の経済政策

 国内外ともに政治・外交については激動の2015年であったが、経済に関しては予想以上に平穏な一年であったと言って良いだろう。なかでも日本経済は不思議な平穏さと、本格回復に至らぬもどかしさが半ばしている状態である。

 中国経済の失速懸念から、年央には日本経済の先行きが危ぶまれたではあったが、その影響は今のところ限定的だ。4-6月の国内総生産(GDP)のマイナス成長も、7-9月期には一応のプラス転換を見せている。雇用もひき続き良好だ。一方で、好調な企業業績をよそに、勤労世帯に景気回復の実感は乏しく、個人消費の回復は遅々として進まない。

「明らかに景気が悪い」という状況から、「どうもはっきりしない」「まだら模様に一部回復が見られる」というところまで改善した経済政策の転換は、一定の評価を与えてしかるべきである。その一方で、日本経済はまだまだこんなものではない!という思いを拭えないという人も多いのではないだろうか。低迷を続けてきた日本経済を本格的な回復軌道に復帰させることが出来るのか。長期的な日本経済の発展にむけたビジョンを提示できるか。2016年はその勝負の年となるだろう。

政策の有効性は「継続性への信頼」に大きく依存する。誰もが関心を持たざるを得ない経済に関わる政策――つまりは経済政策においてその傾向は顕著である。企業活動はもちろん、私たち個人も、貯蓄・職業選択・転居といった複数時点にまたがる意思決定を行っている。すると、現時点でどのような政策が行われているかという問題以上に、…

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