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2015.12.18

第2回

新国立競技場、異例の途中経過公表の背景は?

森本 智之

新国立競技場、異例の途中経過公表の背景は?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの会場となる、新国立競技場の新しいデザイン案が発表になりました。
 選考の途中でこのような発表がなされるのは、きわめて異例なこと。これは前回の白紙撤回に至るまでの反省を踏まえてのことです。
 この問題を早くから取材してきた東京新聞記者・森本智之さんは『新国立競技場問題の真実~無責任国家・日本の縮図~』のなかで、JSC(独立行政法人・日本スポーツ振興センター 新国立競技場建設の事業主体)の、情報公開に後ろ向きな姿勢について、ご自身の実体験を交えてこう記しています。

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◆会議は密室・情報は非公開の、後ろ向き姿勢

 当時(編集部注:建設計画スタート時)の予算で1000億円を超えるビッグプロジェクトである。当然、さまざまな見地か深い議論がされていてしかるべきだが、ここに至るまで、いったいどんな議論があったのか、分からなかった。しかも短期間にわずかな回数の会議しか開かれていない。本当にちゃんと議論したのか。膨らむ疑問をJSCの担当者にぶつけたが、有識者会議も、ワーキンググループも、デザインコンペも、全ての会議は非公開で行われていた。その内容は「現段階でも明らかにできない」と言い、その理由を「過去の議論の詳細を明かすと今後の議論に差し支える可能性がある」と説明された。

 この時の正直な気持ちは、「国家プロジェクトをうたいながら今どき、密室の協議か」だった。文化部に異動する前、社会部時代に担当していた原発の問題では、たとえば、原発事故による損害賠償の指針をまとめた文科省の「原子力損害賠償紛争審査会」の会合など、注目度の高いテーマの時はネット放送局の生中継が入ることもあった。だからこんな理由で会合の議論をクローズにするJSCの主張には、到底、納得できなかった。「これではどんな経緯で計画が固まったのか、検証することもできない」。私はJSCに対し、関連するあらゆる会議の議事録や資料を、情報開示請求した。

 情報公開に後ろ向きなこうした姿勢は、その後、ほとんど変わらなかった。環境政策に詳しい千葉商科大学の原科幸彦教授によると、欧米では、こうした政策決定のプロセスをDADと呼んで揶や揄ゆするそうだ。「decide, announce, defend」の頭文字を取った略語で、「決定してから、報告し、批判は受け付けない(弁解する)」という意味を指す。新国立の問題は、後に、「動きだしたら止まらない公共事業そのもの」と言われるようになったが、現場の取材では常にその体質を実感することになった。

* * *

前回のザハ・ハディドさんの案については、森喜朗元首相が、「生ガキがドロっと垂れたみたい」と発言して話題になりましたが、この元々の発言も議事録には……。

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