昭和58年(1983年)に創設された大阪市主催の「咲くやこの花賞」は、今年で33回目。もともと松竹新喜劇の天才喜劇役者・藤山寛美(ふじやまかんび)が昭和51年(1976年)に、「大阪の文化を盛り上げたい」と自身のCM出演料を寄付したところから基金がつくられ、その後、大阪市民からも寄付が集まって創設されたもの。

「美術」「音楽」「演劇・舞踊」「大衆芸能」「文芸その他」の5部門からなるこの賞は、毎年5名ほど、概ね40歳以下の注目の若手に送られます。

 文芸部門の小説家の方を少し振り返るだけでも、これまで、高村薫さん、有栖川有栖さん、白岩玄さん、柴崎友香さん、津村記久子さん、万城目学さん、西加奈子さん、円城塔さん、瀬尾まいこさん……と、蒼々たる面々が受賞しているこの賞。

 その今年の顔に選ばれたのは、2012年に作家デビューを果たし、幻冬舎plusでも時代小説連載が始まったばかりの木下昌輝さん。 

 折しも小説の主人公は、大阪落語の始祖といわれ、江戸中期に人気を博した「米沢彦八」。お金をとって不特定多数の客に笑いを提供した最初の人物と言われる破天荒な男の物語です。笑い一つで権力に立ち向かったという逸話もある彦八と、その彦八を縦横無尽に描く木下昌輝さんから、今後も目が離せません。『天下一の軽口男 米沢彦八伝』は、毎週火・木・土、怒濤の週3連載です。(S)

 

『天下一の軽口男 米沢彦八伝』
(1)少年虎丸が会いたいと慕う相手、それは天下人秀吉を笑わせた伝説の男だった。

 

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