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2012.04.01

連載エッセイ70

『鋼の錬金術師』作者が描く、
畜産高校生のリアル青春物語!『銀の匙』

中条 省平

『鋼の錬金術師』作者が描く、<br />畜産高校生のリアル青春物語!『銀の匙』

  この時評でも何度か言及したことですが、現代のマンガは題材があまりに拡散し、作風もはなはだしく多様化し、その全体像をとらえているファンも専門家も存在しません。そして、一部のジャンルに異常にくわしいオタクや、一定の作家やテーマについて博士論文を書くことのできる研究家はいても、マンガの歴史と現在を過不足なく押さえている批評家はごく少数です。批評家を鍛える場となる媒体もあまりありません。そんなわけで、マンガの様ざまな傾向やすぐれた作品を紹介してくれる雑誌はなかなか珍しいのですが、マンガを恒常的な紹介の対象にしている貴重な書評誌に「ダ・ヴィンチ」があります。今月(2012年3月)号の「ダ・ヴィンチ」の巻頭大特集は、「次にくるマンガランキング」です。
 この特集は、全国の書店員と「ダ・ヴィンチ」のライターおよび編集者にアンケートを実施し、「すでにコミックスになっているが、2011年12月時点で最大巻数10巻までの、未完結作品」という条件でベスト5を出してもらい、順位ごとに点数の差をつけて集計したものです。要するに、有望株のマンガを全国規模で数量化して選出するという興味深い試みです。以下に、そのランキングのベストテンを転記してみましょう。

1位(213点) 江口夏実『鬼灯の冷徹』(講談社、既刊3巻)
2位(134点) 荒川弘『銀の匙』(小学館、既刊2巻)
3位(83点) 森繁拓真『となりの関くん』(メディアファクトリー、既刊2巻)
4位(82点) 森高夕次作・アダチケイジ画『グラゼニ』(講談社、既刊3巻)
5位(77点) 平野耕太『ドリフターズ』(少年画報社、既刊2巻)
6位(67点) 羅川真里茂『ましろのおと』(講談社、既刊5巻)
7位(63点) 石井あゆみ『信長協奏曲』(小学館、既刊5巻)
8位(60点) 雲田はるこ『昭和元禄落語心中』(講談社、既刊2巻)
9位(57点) 久保ミツロウ『アゲイン!!』(講談社、既刊3巻)
10位(55点) こざき亜衣『あさひなぐ』(小学館、既刊3巻)

 私が読んだことのある作品は、『銀の匙』『グラゼニ』『ましろのおと』『昭和元禄落語心中』で、計4作。いちおう本誌でマンガ時評を担当している者ではありますが、まあこんなところがせいぜいだろうな、というのが正直な感想です。半分フォローするのも難しいのです。このうち、『銀の匙』を除く3作については、本年2月号で紹介しています。

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