女優でモデルの菜々緒さんが、ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系・火曜夜10時)で美しくミステリアスな悪女を演じて話題だ。悪女の殺人者・橘カラを演じ、その美しさの裏にある狂気と不気味さにいつも惹きつけられてしまう。

 日本や世界のどの国でも、歴史上の三悪女と呼ばれる人物が時代ごとに存在するように、悪女と呼ばれる女性は記憶と記録に残る。

 現実の世界でも時々世間を騒がせるが、小説にはそのような悪女を題材にした作品が多く見られる。比較的最近の作品だけでも、実際の事件とも重なり話題となった黒川博行さんの『後妻業』(文藝春秋)や、誉田哲也さんの『ヒトリシズカ』(双葉文庫)、百田尚樹さんの『モンスター』(幻冬舎文庫)、真梨幸子さんの『殺人鬼フジコの衝動』(徳間文庫)、五十嵐貴久さんの『リカ』(幻冬舎文庫)などなど、どれも悪女を題材とした名作ばかりだ。

 そして最近注目を浴びているのが、話題のミステリー作家・柚月裕子さんの『ウツボカズラの甘い息』(幻冬舎)。ごく平凡な主婦・文絵が出会ったかつての同級生の加奈子。その再会が文絵の人生を大きく狂わせていく。この加奈子という女もとんでもない悪女である。この悪女は狂気に駆られて行動に移すだけではなく、日常生活をおくる上でちょっとした心の隙間に入り込む悪魔なのだ。そんな日常生活の危うさ、心の脆さにゾクゾクとした方にお薦めの一冊だ。

 ちなみに、本書は、「これぞ本屋大賞ならぬ問屋大賞」と注目されている出版取次の日販(日本出版販売株式会社)の、「絶対に読んでほしい」一冊を厳選してお届けするプロジェクト、「小説太鼓判」の第2弾選定作品でもある。その詳細はここから(http://hon-hikidashi.jp/enjoy/6189/)チェックを!!

 さて、どうして悪女に惹かれるのか? なんだかんだで、その疑問は解けず。本末転倒だが、悪女と出会ってみてから再度考えてみようと思う。(T)
 

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