5時間にはつくづく呆れた

かつて罵り合っていた小林よしのりさんと宮台真司さん、そこに東浩紀さんが加わった『戦争する国の道徳』刊行記念トークイベントが11月4日、東京・五反田のゲンロンカフェで開催されました。

話題は、従軍慰安婦から始まり、沖縄が民族としてのアイデンティティを主張することの是非、シールズが唱える民主主義とは何なのか、立憲主義の本義、資本主義の外部をいかにつくるか、今後、天皇制はどうなるのか――など昨今の日本の大きな課題ばかり。
その結果、19時に始まったトークが終わったのは、なんと24時! お三方は、5時間、語りに語られたのでした。

小林よりのりさんは、翌日、
「昨日のゲンロンカフェでの鼎談はつくづく呆れた。
東浩紀、宮台真司、小林よしのりの3人で、『戦争する国の道徳』(幻冬舎新書)の発刊記念で行ったものだが、午後7時から5時間もやるなんて思いもしなかった。」
「東浩紀と宮台真司の愛嬌ある壮絶バトル」に書かれているほど。

『戦争する国の道徳』では、小林さんと宮台さんの思想が妙に接近し、東さんが、「この不自然な共闘を喜ぶな」と警鐘を鳴らされていましたが、今回は、小林さんと東さんが妙に接近するトピックも多く見られました。

これは、従来のような「権力対反権力、右翼対左翼、保守対リベラル」といった構図では、政治を見ることができないことのあらわれなのかもしれません。

現状の突破口は、わかりやすい筋書きを拒絶して、粘りに粘って議論することにしかありません。驚異の5時間イベントに参加してみたかったという方、おさらいしたいという方、議論する力を身につけたいという方には、『戦争する国の道徳』での紙上体験をお薦めします。(T)
 

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