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ようこそ「出口塾」へ! 「人生を面白くする本物の教養」をお教えします

2015.09.30 公開 ツイート

第2回

物事は「タテとヨコ」「国語ではなく算数で」考える 出口治明

続いて第3章「本を読む」からの抜粋です。

 ***

 私は自分自身を教養人だと思ったことは、一度もありません(実態はむしろ野蛮人に近いと思っています)。ですが、私にいくばくか教養のようなものがあるとすれば、それを培ってくれたのは、「本・人・旅」の三つです。私はこれまでの人生で、「本・人・旅」から多くのことを学んできました。あえて割合を示せば、本から五〇%、人から二五%、そして旅から二五%ぐらいを学んできたといったところでしょうか。

 さまざまな本を読み、さまざまな人に出会い、さまざまな場所を旅すると、世界にはこれほど素晴らしいところがあり、こんなにも素晴らしい人がいるのかと、その広さと豊かさをあらためて実感します。同時に、自分の小ささや幼さがよく分かります。「本・人・旅」は、常に私に身の丈を思い知らせ、謙虚であらねばと思わせてくれます。「本・人・旅」は私の人生の道標なのです。

 とはいえ、私はこの三つから、必ずしも何かを「学ぼう」としているわけではありません。私を動かしているのは、何よりもまず「面白い」という感覚です。「好きこそものの上手なれ」と言うではありませんか。本を読むのは面白いから読む、人に会うのは面白いから会う、旅をするのは面白いから旅に出る。万事がその調子で、私の価値観では常に「面白いかどうか」が一番上にあるのです。

 社会人になってからは、仕事が忙しいので本を読む時間が激減しました。そこで、「寝る前に一時間だけ本を読む」というルールをつくりました。これは、いまでも続いています。

 移動時間も利用しています。いまでも通勤の地下鉄や飛行機のなかでは、寝ている時間以外は本を読んでいます。

 日本生命時代は三十歳で上京してから連続十三年間、MOF担(モフタン)といって対金融行政の仕事をしていました。仕事柄いろいろなつき合いが必要で、毎晩のようにお酒を飲んで、帰宅は午前二時や三時が日常茶飯事。それでも「寝る前に一時間だけ本を読む」というルールを決めていましたので、いくら酔っていても、家に帰ってから必ず一時間は本を読むようにしていました。主として三十代から四十代前半のころのことです。

 その代わり、ゴルフはやりませんでした。平日のお酒に加えて土日のゴルフもおつき合いしていたら、本を読む時間がまったくなくなってしまいます。「ゴルフはできません」と言い続け、週末には読書の時間を確保していました。本とゴルフを比較して、ゴルフを捨てたのです。もう一つ、テレビを見ることも捨てました。

 ***

次ページでは第3章と第4章の目次をご紹介します。

 

関連書籍

出口治明『人生を面白くする 本物の教養』

教養とは人生における面白いことを増やすためのツールであるとともに、グローバル化したビジネス社会を生き抜くための最強の武器である。その核になるのは、「広く、ある程度深い知識」と、腑に落ちるまで考え抜く力。そのような本物の教養はどうしたら身につけられるのか。六十歳にして戦後初の独立系生保を開業した起業家であり、ビジネス界きっての教養人でもある著者が、読書・人との出会い・旅・語学・情報収集・思考法等々、知的生産の方法のすべてを明かす!

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ようこそ「出口塾」へ! 「人生を面白くする本物の教養」をお教えします

いま私たちに本当に必要な勉強とは? この問いに、もっとも明快に答えてくれる人物のひとりが、60歳にして戦後初の独立系生保を開業した起業家で、ビジネス界きっての読書家でもある、ライフネット生命保険創業者の出口治明さんです。その出口さんの代表的ベストセラー、『人生を面白くする本物の教養』から、読みどころをご紹介する「出口塾」を開講します!

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出口治明

1948年、三重県生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。京都大学法学部卒。1972年、日本生命に入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退社。同年、ネットライフ企画を設立、代表取締役社長に就任。2008年に免許を得てライフネット生命と社名を変更、2012年上場。社長・会長を10年務めたのち、2018年より現職。『人生を面白くする本物の教養』(幻冬舎新書)、『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『人類5000年史(I~Ⅲ)』(ちくま新書)、『座右の書『貞観政要』』(角川新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『還暦からの底力』(講談社現代新書)など著書多数。

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