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2015.09.06

第8回

一瞬先の「勇敢か、卑怯か」すら見えない戦場のリアリティ
小林よしのり『卑怯者の島』

中条 省平

一瞬先の「勇敢か、卑怯か」すら見えない戦場のリアリティ<br />小林よしのり『卑怯者の島』<br />

誰もが卑怯者であることを余儀なくされる

 前回、「戦後70年」にちなんで、マンガの雑誌特集と単行本を紹介しましたが、今回も戦争マンガの企画を2つ取りあげたいと思います。いずれも重いテーマに正面からぶつかった力作で、ぜひ「戦後70年」のこの機会に紹介したいと思うからです。

 1つは、小林よしのりの『卑怯者の島』(小学館)です。

 前回論じた戦争マンガ企画の2点のなかに、いずれも「アッツ島玉砕」を題材とした作品がありましたが、本作の主題も玉砕です。作者はあとがきで「舞台設定はペリリュー島を参考にした」と書いています。天皇夫妻が戦後70年を期して戦没者の慰霊に訪れたことで一躍クローズアップされたこの島でも、日本軍の兵士約1万人が「玉砕」しました。

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