前回の記事:國分功一郎×麻木久仁子スペシャル対談(1/4)
 

政治には関わらないほうがいいという空気

國分 「政治がウザい」と思われているという点で言うと、僕たちの運動も、イメージづくりはよかったのかもしれないけど、なぜもうちょっと運動が広がらなかったのかなとは思うんです。意外にも学生の参加が少なかった。小平には大学がたくさんあるのに。

麻木 そうかもねえ。うちの大学生の娘もすごく冷めてるもの。

國分 でしょう? 政治運動を見る学生の目って、街で見慣れない人と居合わせた子どもが、親から「シーッ! 目を合わせちゃいけません!」って言われるときの目なんですよ。政治というと、無条件に新興宗教みたいなものだと思ってる。僕も大学で教えている身として、ちょっとショックでした。ただ最近は関心を持ってくれる学生が増えました。むしろ投票後に学生の関心が高まった。

麻木 いまごろショックを受けるなんて、大学の先生としては呑気過ぎない?(笑)。

國分 すみません(笑)。

麻木 今の学生さんが政治に関心を持たないのは、やっぱり、かつての学生運動の反動が大きいのかな。私よりちょっと上の世代の人たちが盛んに学生運動をして挫折した後、社会全体で政治的なものを忌避する空気をつくってきた。

 もちろん、当時の一部の過激な人たちの活動は明らかに大衆の心からかけ離れていて、あれが政治ですって言われたら、「政治には関わりたくない」「関わらないほうがいい」と思うのはわかる。でも世の中っていうのはゼロか百かじゃないわけで、「あれは失敗だったから、すべての政治的な活動に若者を近づけるな」っていうのは、間違ってたんだよね。

 みんな「なぜ政治に関心を持たないんだ」って若い人たちを非難するけど、学生たちに政治とか大学の自治っていうものを考えさせないようにし、関心を持ったら損するような世の中にしたのは大人だからね。社会全体が、日本人を長い時間かけて骨抜きに……って、私、なんか過激なこと言ってる(笑)。

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