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2015.08.05

第14回

生活の品質を管理する

円城 塔

生活の品質を管理する

■指定図書:『活字狂想曲』倉阪鬼一郎 

そういえば僕は、基本的に珈琲が飲めません。こうなんとなく、お腹の調子が悪くなります。飲めるようになったのは、一年ちょっとの会社勤めをしたときからで、三十代の半ばからです。飲めないと仕事にならない──というほどではなかったのですが、まあ飲めた方が便利だったので、ちょっとは飲むようになりました。それ以前でも、仕事の打ち合わせなんかのときには、とりあえずブレンド、みたいな感じでやっていたので、全く飲めなかったわけではありません。でも未だに苦手で、積極的に飲みたいものでもないのです。

 このところ妻が、寝る前に「珈琲いる?」ときいてくれることがあり、(別に好きなわけではないが、今日は体調もよいし、せっかく淹れてくれるというなら)「もらう」と返事をしたりしていました。
 でもここでうっかりしていたのは、上の括弧の中身を伝えていなかったことで、まあすると、「この人は珈琲を好むのだ」と思われても当たり前です。なにかこう、悲劇につながっていきそうな認識のズレですね。

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