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2015.08.06

第6回

『きらめく甲虫』制作ウラばなし 前編

丸山 宗利

『きらめく甲虫』制作ウラばなし 前編

まるで銀細工のようなプラチナコガネ、日本の伝統紋様さながらに多様な柄のカタゾウムシ、虹色の輝きが美しいアトバゴミムシ……。
 甲虫の中でもとくに金属光沢が美しいもの、珍しい模様を背負っているもの、色合いが芸術的なものを厳選して紹介する写真集『きらめく甲虫』(丸山宗利・著)が刊行になりました。
 ここでは刊行を記念して、『きらめく甲虫』がもっと楽しめる情報を紹介いたします。


 本を手にした人から続々と、「どうやってこんなにきれいに撮影したの?」「印刷技術がすごい!」と驚きの声が上がっている本書『きらめく甲虫』。今回は、いかにしてこの美しい本が出来上がったのか、知られざる制作過程を編集担当・前田がご紹介します。


2015年1月下旬
福岡県福岡市にある九州大学総合研究博物館。丸山宗利先生の研究室で、構成担当の佐藤暁さん(ネイチャー&サイエンス)と私(幻冬舎・前田香織)の3人で打ち合わせ。
2011年にこの布陣で写真集『ツノゼミ ありえない虫』を刊行し、幸い売れ行きが好調でした。次は甲虫の本にしよう、ということは早くから決まっていたのですがなかなか実現できず……。
しかしこの日、丸山先生から「美しい甲虫だけを集めた本はどうだろう」と素敵な案が出ました。それなら題は『きらめく甲虫』しかない! ということでこの日、書籍『きらめく甲虫』の制作が始まったのでした。

丸山先生が見せてくれた、九州大学総合研究博物館所蔵の標本箱。どの虫も美しくて思わず見とれてしまう

 

3月上旬
丸山先生はとにかく忙しい。何しろしょっちゅう海外調査の予定が入っています。その合間に福岡から東京に用事でいらしたわずかな時間を使って打ち合わせ。虫の登場順を入れ替えたり、それぞれの虫の特徴を丸山先生に解説していただいたりして、だんだんと本の方向性が固まっていきました。
ただし、この時点で丸山先生が撮影した虫の写真は、黒い体に面白い模様があるカタゾウムシしか見せてもらっていません。果たして本当にきらきらと美しい甲虫の写真が載せられるのだろうか?
この頃、私と佐藤さんは内心ドキドキしていました……。

 

写真を拡大
佐藤さんが仮の写真で作ってくれた、初期段階のラフ。この手書き段階も味わい深い(注・写真のツバキシギゾウムシは途中でボツになってしまったので、本の中には登場しません)

完成した扉ページがこちら↓

3月下旬
『ツノゼミ』を担当してくれたデザイナーの鷹觜麻衣子さんに今回もお願いできることになり、鷹觜さんの仕事場を佐藤さんと訪問。昆虫が大好きな鷹觜さんは、依頼をとても喜んでくれました。よかった!
形が面白い虫・ツノゼミと違い、今回の甲虫は色や柄が面白く、形自体は同じようなものが並ぶことになります。それだけに、いかに見飽きないページ作りをするかはデザイナーさんの力に頼るところが大きいのです。
鷹觜麻衣子さんに装丁してもらった本の数々


4月上旬
丸山先生は激務の合間を縫って、わずか数日で約200種の甲虫の撮影を終えてくれました。撮影は深度合成法という方法で行われます。多数の写真を層状に撮影し、ピントの合っている部分だけをコンピュータソフトで1枚の写真に合成する方法です。
写真には普通、ピントの合っている部分とぼけた部分がありますが、この方法だと全ての部分にピントが合った写真が出来上がるのです!
金属光沢をもつ甲虫は、太陽光のもとで初めて自然な色を見せるので、室内での撮影は大変難しかったそうです。
また、標本を美しく整える作業は技術が必要で、展足の上手な学生・福井敬貴さんをこの撮影のために東京から招いて作業してもらったのでした。さらに九州大学の学生・星野光之介さんが、標本に付いている細かいゴミや糸くずを丹念に掃除して準備してくれたおかげで、短期間での撮影が可能になりました。

最も難しかった「キンギンコガネ」。鏡のような背面にこちらが映り込んだり、質感がうまく出なかったりと苦労したそうだ


丸山宗利先生が書いた本書の制作秘話もこちらから読めます↓
「きらめく甲虫」のできるまで――断虫亭日乗
http://dantyutei.hatenablog.com/entry/2015/07/12/172523
 
後編に続きます。次回は8月10日(木)を予定しています。

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