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2015.12.30

光秀の子孫が恩讐を超えて解明した信長の真実!!

年末年始 連載(4)
なぜ尾張統一を目指したか

明智 憲三郎

年末年始 連載(4)<br />なぜ尾張統一を目指したか<br />

【再掲】発売後から、また新たに熱い視線を浴びる『織田信長 四三三年目の真実 信長脳を歴史捜査せよ!』(明智憲三郎著)。従来の本能寺の変論とは違う新説を打ち出し、話題となった著者が今度は織田信長に挑んだ。そこで作品の中から気になるテーマを試し読み連載にて掲載。天才信長の頭脳を読み解き、驚愕の真実を目撃せよ!!

連載第四回となる今回は、戦国の世の宿命か、信長を戦に駆り立てた理由とは?
 

 信長が何を考えて尾張統一戦を戦ったのかをみてみよう。

 信長が家督を継いだ時点では美濃の斎藤道三とは同盟を結んでいたものの、今川氏・松平氏とは抗争状態が続き、また清須守護代とも微妙な関係にあった。案の定、信長が家督を継いだ途端に鳴海城主山口教継が今川へ寝返り、鳴海城・沓掛城・大高城が乗っ取られ、今川氏の尾張南部への侵入を許した。さらに、清須守護代家老坂井大膳が信長に敵対して挙兵した。

 このように、十九歳の信長にとっては、直面する敵対者を潰さなければ、こちらが潰されるという切迫した状態での船出だった。生き残るためには目前の敵対者に打ち勝たねばならない。まず直面していたのが国内の同族、清須守護代織田信友であり、その次に実弟の信勝、さらにその先には今川氏だった。

 翌年の天文二十二年(一五五三)七月、清須守護代家老の坂井大膳らが守護斯波義統を討ち、清須城を乗っ取る事件が発生した。義統の子義銀が川狩に出ていた隙の事件で、義銀は直ちに信長に庇護を求めた。この行動をみると義統が討たれた背景には信長の義統を抱き込むような動きがあったのであろう。

 翌天文二十三年(一五五四)四月、信長は叔父の信光と組んで守護代信友を討ち、清須城を乗っ取った。『信長公記』には尾張下四郡を信長と信光で半々に分ける密約を結び、信光が清須城に乗り込んで信友を切腹させて清須城を信長に引き渡し、自分は那古野城へ移ったと記している。

 その信光が半年後に家臣に殺されて信長は下四郡をすべて手に入れた。『信長公記』には「併しながら、上総介(信長)殿政道御果報の故なり」と書かれている。「信長は幸運だ」ということだ。清須守護代家老が斯波義統を討つという「偶然・幸運」に続いて、その清須守護代を討ってくれた叔父信光までもが横死するという「偶然・幸運」に恵まれたのである。当然、裏には信長の「必然・必勝」があったものと想像するが、それを裏付ける史料は今のところ確認できない。

 しかし、「偶然・幸運」はいつまでも続かない。翌々年の弘治二年(一五五六)四月に、今度は信長の後ろ盾となって支えていた美濃の斎藤道三が息子の義龍に討たれるという事件が起きた。これを契機として義龍が尾張上四郡の岩倉守護代織田信賢を抱き込んで信長に敵対した。さらに、信長の腹違いの兄信広も義龍と連携した動きを始めた。

 この上四郡の岩倉守護代との戦いの前に下四郡の統治を固める上での障害が立ちはだかった。それが弟信勝である。道三が討たれた四ヵ月後、信勝を担ぐ林秀貞、その弟美作守、柴田勝家の軍勢と信長は稲生で戦った。数時間の激戦の末に、信長が勝利し、美作守の首は信長が自ら討ち取った。

 敵対した弟信勝や秀貞、勝家を許した信長であったが、再び信勝が謀反を企てている旨を勝家から告げられた永禄元年(一五五八)十一月、病気と偽って見舞いに来させた信勝を清須城で謀殺して決着を付けた。

 翌永禄二年(一五五九)三月、岩倉城を攻め落として守護代信賢を追放した信長はようやく形の上では尾張一国を統一した。その後、今川義元らと謀って信長に敵対したとの理由で守護斯波義銀を追放した。一度は担いでその権威を利用した人物を追放した点では後の将軍足利義昭のケースと似ている。

 こうして、父親も成し遂げられなかった尾張統一を二十六歳の青年武将信長がまっしぐらに成し遂げた。身近に同族の敵対者を抱えて、何もしないでいたら生き残れない、殺されるという戦国の現実に駆り立てられたのだ。勝ち抜かねば滅びる。それは自転車をこぎ続けねば倒れるのと同じだ。信長は生涯を通して、まるで自転車をこぎ続けるかの如くにその時々に直面する敵に勝ち抜き続けなければならなかった。信長は尾張を統一することによって、さしあたっての安全を確保したが、それはひとつのステージの終わりに過ぎず、次の新たなステージの始まりだった。

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