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2015.07.10

第6回

妖怪を見てしまう日本人の心性をあぶり出す、巨大なアンソロジー『漫画家たちが描いた怪談』

中条 省平

妖怪を見てしまう日本人の心性をあぶり出す、巨大なアンソロジー『漫画家たちが描いた怪談』<br />

読み応え抜群の傑作怪談集

 夏といえば怪談。暑気払いに芝居や寄席や映画で怪談が盛んに演じらますが、今年はマンガにも大きなプレセントがありました。

漫画家たちが描いた怪談』(監修・中野晴行、金の星社刊)。全3巻で、総計1200ページ近いボックスセットです。この監修者と出版社は、一昨年にも『漫画家たちの戦争』という全6巻のセットを出版し、本当に素晴らしい企画本だったので、拙著『マンガの論点』(幻冬舎新書)でも大推薦しています。

 今回は、日本マンガの怪談集で、期待にたがわぬ傑作揃いです。ただし、選択の範囲は、前回の『漫画家たちの戦争』と同じく、少年マンガが中心になっています。私はさっそく5歳の息子にいくつかの作品を読み聞かせてやりました。息子にとって初めての楳図かずおや水木しげるとの遭遇になったわけです。

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10年前すでに戦争とテロと格差社会を描いていたマンガは、つねに世相の3歩先を映し出す予言の書である。そしてその後、何を予言し的中させてきたか。マンガを論じるとは、まさにこれを読み解くことでもある。『デスノート』『ソラニン』『すーちゃん』『へうげもの』『闇金ウシジマくん』『20世紀少年』『この世界の片隅に』『JIN-仁-』『PLUTO』『鋼の錬金術師』etc.からフランスのマンガBD【ルビ:ベーデー】まで、この10年間の数百冊を取り上げ、読み方のヒントを明示し、現代日本そのものを読み解く。


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