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2015.06.30

第7回

ホーチミンは今日も雨だった

小原 祥嵩

ホーチミンは今日も雨だった

ぱらぱらと窓を打つ音が聞こえたと思ったら、あっという間に大粒の雨が降り始め、まさにバケツをひっくり返したような雨が降る、これがホーチミンの雨季です。オフィスの窓をざあざあと音を立てて流れていく雨水を見ると、誰かうちの窓にむけて放水しているのでは、と思うほどの激しさです。

しかし、このような激しい雨はあまり長くは続きません。せいぜい30分もすれば上がります。ただ、雨が上がれば雲ひとつない青空が顔を出すかというとそうでもなく、その後も薄曇りが続き、数時間後にはまたぱらぱらと雨が降り出すことも少なくありません。

雨の降り方もさることながら、降雨の際の市中の様子や道行く人々の反応も異なります。

例えば、雨が続くと市内には突如として多数の「川」が出現します。道路の水はけが悪いため、行き場を失った雨水が川のごとく道路を覆ってしまうのです。これには難儀させられます。多少の深さであればざぶざぶっとバイクでそのまま走り抜けられるのですが、時には深すぎてマフラーから浸水してバイクが止まってしまうことがあります。特に私は古いバイクに乗っているので、川を渡るのにはめっぽう弱く、一度は「川」の中で止まったバイクを押して全身ずぶ濡れになりながら帰るはめになったこともありました。今ではうまく川を迂回するようになりましたが。

窓を洗うホーチミンの大雨

皆さんは雨が降れば傘を差しますよね。当たり前のことですが。ところが、この街で雨の中、傘を差しているのはほとんどの場合外国人です。

バイクを主要交通手段としているベトナムの人々は傘を持ち歩くことはまずありません。その代わりに常用されているのが雨合羽です。ベトナム人のバイクには必ず雨合羽が常備されていて、雨が降り始めたと思ったら路肩にバイクを寄せて、雨合羽を取り出します。合羽は着るのに手間取るような複雑な形はしていません。頭からスポっとかぶれるポンチョ型で、ポンチョの傘の部分はバイク一台をがばっと覆うことが出来るほどの大きさです。また、二人乗り、三人乗りの場合は、ドライバーがポンチョをかぶり、後ろの人はポンチョの余った部分に潜り込んだり、身体に巻き付けて雨をしのぐのです。雨が降ると傘の花が咲く日本と対比して言うならば、ベトナムでは雨が降ると色とりどりのてるてる坊主が走り回る、という感じでしょうか。

雨合羽をかぶって走る二人乗りバイク

こんな季節がこれから12月頃まで続きます。そんな空模様を時にはうんざりとした表情で眺めることがあるものの、「Mưa dầm thấm lâu(長雨が大地を豊かにする)」と言うことわざがあるように、ベトナムの人々は恵みの雨として捉えているようです。

 

東南アジア、スポーツの祭典SEA Games

さて、そんな雨季の訪れを尻目に、ベトナムいや東南アジアの人々が熱中・熱狂していたのが、シンガポールで開催された東南アジアのオリンピックSEA Games(東南アジア競技大会)でした。この大会は1959年の第1回開催以降、2年に一度東南アジア各国持ち回りで開催されています。第28回となる今大会には東南アジア11カ国が出場し、ベトナムは186個(金73個、銀53個、銅60個)のメダルを獲得。タイ、シンガポールに続く総合3位となりました。

 

このSEA Gamesでベトナムの人々(主に男性)が熱をあげていたのはサッカーです。ベトナムではサッカー人気がとても高く、自国の選手の試合はもちろん欧州のチャンピオンズリーグなど海外トップリーグも多くの人々が観戦します。かつての日本の街頭テレビよろしく、市内のカフェに設置されたテレビの前には多くの人々が集い、一つ一つのプレイに感嘆の声を上げながら観戦するのです。どこからか突然大歓声が聞こえてきたと思ったら、まず間違いなくサッカーの試合が開催されていると思っていいでしょう。

ところで、東南アジア各国のナショナルチームで日本人が監督を務めているのをご存知でしょうか。近年ではミャンマー女子代表を率いアセアン最優秀監督に選ばれた熊田氏や元横浜Fマリノス監督でラオス男子代表を率いた木村氏などを筆頭に、多くの方々が東南アジア各国でご活躍されています。

そして、今大会に出場するU-23ベトナム代表を率いたのは三浦俊也監督でした。

日本人監督とともにベトナム国民の期待を背負って大会に臨んだベトナムチームですが、残念ながら準決勝でミャンマーに敗れてしまいました。3位決定戦でインドネシアを下し、なんとか銅メダル獲得を果たしましたものの、大会終了後の今もなお、なかなか面目躍如とはいきません。準決勝のミャンマー戦で再三のチャンスを逃した選手に至っては私生活のスキャンダルが取り沙汰されるなど、肩身の狭い思いを強いられているようです。

そんなサッカーでの悔しさを晴らしたベトナムの若きスポーツ選手がいます。女子競泳の若きエース、19歳のグエン・ティ・アイン・ビエン選手です。今大会で金8個を含む計10個のメダルを獲得しました。昨年のアジア大会で銅メダル獲得以来、それまでスポーツに興味を持っていなかった人でさえも彼女の活躍に心を踊らせ、更なる飛躍に期待を寄せているのです。

自国の国旗が世界の舞台ではためく様子は、洋の東西を問わず、人々を高揚させ熱狂に誘うものですね。

世界を舞台に活躍する国民的英雄の登場が、我々も世界を相手に戦えるんだという勇気と希望を抱かせるのではないでしょうか。

 

それでは、また。

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