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2015.06.21

第6回(最終回)

これからの医療は、治療ではなく予防だ

石井 光

これからの医療は、治療ではなく予防だ

皆様は、医療の「2025年問題」を御存じでしょうか。2025年になると団塊の世代が後期高齢者となり、なんと国民の30%が65歳以上となります。国民医療費は毎年約1兆円ずつ増加しており、2025年には50兆円を超えると推計されています。

国家破綻になりかねない現状を受けて、財務省は厚労省に対して医療費削減策を講じるよう求めています。しかし、実施されている施策の多くが、いずれも対症療法に過ぎず、根本的な医療費削減に繋がっていません。

厚労省の主な施策に、①ジェネリック医薬品の使用推進、②病院から在宅へのシフトがあります。

最近では、日本医師会でもジェネリック医薬品の代替で、どれだけ国民医療費の削減効果があるか疑問視する声があがっています。また、在宅へのシフトについては、たとえ入院費が減っても高齢化で患者は増え続ける一方です。在宅医療にすれば検査が不十分となり、むしろ病気が増加して医療費の根本的削減にはつながらないでしょう。

20世紀は治療の時代でしたが、21世紀は予防の時代です。医療費を削減して国家破綻を回避するには予防しかないのです。

では、予防医療がどのくらい医療費削減につながるのでしょうか。私の専門である大腸がんを例に説明します。10年前に進行大腸がんの患者が亡くなるまでの平均年数と医療費を、母校の日本医科大学消化器外科で調べてもらいました。その結果、平均生存期間は約2年で医療費は約2000万円でした。では、大腸がん予防にかかる費用はどうでしょうか。

毎年検便で潜血反応を調べて、陽性になったら大腸内視鏡を受ける健診を40代から40年間続けるとします。便潜血陽性になる間隔を4年に一度とすれば大腸内視鏡の回数は合計10回です。便潜血陽性になると大腸ポリープが見つかる確率が高くなります。大腸がんのほとんどは大腸ポリープが進行してがん化することが知られています。つまりポリープを切除すれば大腸がんの予防になるのです。毎回ポリープを切除しても医療費の総額は70万円で自己負担額は総額で20万円です。しかも生命保険に加入している場合、診断があれば手術給付金が5万円もらえます。一方で進行大腸がんになってしまうと、2000万円も払うのに、わずか2年で亡くなるのです。片や、20万円で健康寿命が伸びる――誰が考えても予防の方が良いに決まっています。

他の部位のがんでも同様です。一般的にがんは遺伝子変異だけでなく炎症が進行して発生します。慢性胃炎が進行すると胃がんになります。胆のう炎が進行すると胆のうがんになります。膵炎が進行すると膵がんになります。それらの炎症を治療すれば、消化器系のがんを予防できるのです。

では、その他の生活習慣病と言われる病気の予防はどうしたらよいのでしょうか。毎年健診を受けても早期発見にはなりますが、予防にはなりません。メタボ指導を受けても老化と密接に関係している糖尿病、高血圧、動脈硬化、骨粗鬆症は老化を予防出来ないので限界があります。

最近アンチエイジングの研究が進んでいますが、私に言わせると問題がおおありです。老化の本体は「コラーゲン不足」なのです。20歳過ぎると、毎年1%ずつコラーゲンの供給が低下することが知られています。コラーゲンは体の最も重要なたんぱく質です。コラーゲンが存在するのは、皮膚、骨、関節軟骨、靭帯、腱、内臓、神経、血管とあらゆる重要な臓器です。コラーゲンが供給不足に陥るとこれら組織にあるコラーゲンは、架橋形成して老化コラーゲンとなります。老化コラーゲンが体中に溜まるとあちこちで悲鳴を上げて関節が痛み、皮膚がたるみシミが出る、動脈硬化が進行してプラークが形成される、骨密度が低下する、胃の粘膜が萎縮して胃がんになりやすくなる等々、様々な病気が出現します。私は、高品質コラーゲンをのむと老化が改善することを認めました。

現在多くのアンチエイジング目的のサプリメントが販売されていますが、役に立っているものはごくわずかです。その証拠に、国民の多くがアンチエイジングと称するサプリメントになんと毎年2兆円も払っているにもかかわらず、毎年国民医療費が1兆円ずつ増加しています。

国は、4月から食品の機能性表示制度を開始しました。米国の制度に習ったもので、米国では機能性表示以来、機能性表示がないサプリメントが淘汰されたそうです。日本でも今後機能性表示があるサプリメントが国民に正しく評価されて、病気予防と共に健康寿命をのばし国民医療費の根本的な削減に繋がることでしょう。

 

最後に

医者の嘘』では書ききれなかった医療の裏話を、『医者の嘘plus』として全6回にわたり紹介してきましたが、まだまだ言い足りないことがたくさんあります。全編を通して現役医師として私が最もお伝えしたかったのが、国民の一人ひとりが医療、医療費、サプリメントについて真剣に考え行動する。そうすることが、国民の健康寿命をのばし、医療費の削減に貢献するということです。

予防医療を主体に考えるなら、定期健診を積極的に受診することが第一です。米国では、「健診は意味がない」とする意見がありますが、日本の健診受診率は米国の半分に過ぎません。米国と同じくらい健診を受けるだけで早期発見率が2倍となり医療費の削減に貢献するでしょう。

また、米国で生まれた機能性表示制度を活用して、日本でも機能性表示のあるサプリメントを選択すれば、宣伝に踊らされて購入していた頃よりも遥かに正しいサプリメントを選択できるようになり、予防に役立つことは間違いありません。
 

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