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2015.06.10

旅女がタイ・バンコクにいった理由 〜『恋する旅女、美容大国タイ・バンコクにいく!』より〜

小林 希

旅女がタイ・バンコクにいった理由 〜『恋する旅女、美容大国タイ・バンコクにいく!』より〜

恋する旅女・小林希の新刊『恋する旅女、美容大国タイ・バンコクにいく!』の発売を記念して、書籍の一部を本日より7日間連続で特別公開します。世界放浪をつづけた旅女(32)は、長い旅のせいで、シミ・ソバカスは増え、髪はパサパサ、爪はボロボロ、肌は乾燥し出血、と大変なことに。女性として悲惨なこの状況を克服するため彼女は美容大国タイ・バンコクへ。美をめぐるガチな旅行体験の数々をお楽しみください!


はじめに

 2011年12月27日、29歳になって2ヶ月ほど経ち、私は会社を辞めて世界放浪の旅にでた。
 それまで日本で生まれ育ち、中学高校は私立の女子校に通い、女子しかいない環境というのに(そのせいか)、想像以上に男子を意識しない毎日を送ってきた。可愛くいることよりも、いかに面白いか、同性にモテるかっこいい男前の女子でいるか、ということにもっぱら意識を向けていた。だから中学高校の4年間は『SLAM DUNK』に憧れてバスケ部だったし、動くのも楽だからとずっとショートヘアにしていた。
 その後、大学で共学になったときは、新たに出会う同い年の女子たちが超キラキラとして見えて、驚いた。皆、自分をキラキラ見せる方法を知っている!
 焦るように、「私もキラキラしたい!」と願い、まず髪を伸ばし始めた。そのときが、私の中で寝ぼけすぎていた「美意識」がパッと目を覚ました瞬間だった。
 おかげで大学生活からの20代は、あれこれとキラキラな自分をめざしながら、仕事や趣味を謳歌して「今の私、イケテルに違いない」と思い込んでいた。
 だけれども、「キラキラの自分」ってなんだ? 「美しいと思われる自分」って、いったいどんなだ?
 それこそ疑問だらけで、「これが美しい」という自分のイメージに突っ込みどころは満載なのだけど、当時は迷う暇もなく外見を美しく見せることに命をかけていた。
 思えば、私というヤツは、中身の空洞な真っ白の陶器に、外側だけ美しく絵を描いた置物のようだった。もともと自分という色のない陶器は、ふう~っと風が吹けば簡単に倒れて割れてしまいそうなほど、とても脆いものだった。

 そんな私が29歳で旅女になって、バックパックひとつで1年間の世界放浪の旅にでた。バックパックは極力軽くしていきたかったから、最低限のものしか詰めていかなかった。オシャレな服も、美容グッズなんてものもない。
 けれど不安はなかった。私の中で、旅はナチュラルにあるべきだし、むしろ人間としての成長や学びを得に行くのであって、「綺麗」でいることが大事だなんて思わなかった。いや、中身を磨いてこそ、本当の美しい人間になれるのではないか。
 あ、だからといって、まったく女を捨てるつもりなんてないわ! スッピンで堂々と都市を歩くなんてしたくないし、最低限は女性としての見かけも美しく保っていく!
 ……そんな、つもりではいた。


 ところが、世界で私を待っていたのは、過酷な自然環境や異文化で、あれよあれよという間に肌はカサカサになり、踵かかとはひびが入り、唇も割れ、服もボロボロになった。
 時折どこかの街のマーケットで軽石を買っては踵を削ってみたり、ボディクリームをべったりつけたり、可愛い服を見つけて買ったりもして、なんとなくそれで満足というか、もう仕方ないという思いに侵されてしまった。
 その代わり、日に日にたくましくなり、日常では出会えないような経験を重ねていき、私はもう空っぽの陶器ではなくて、幾分重みもあって、自分らしい色味のついた陶器になっていくという実感が嬉しくて仕方なかった。

 1年間の旅を終え、またすぐに旅にでるつもりで、一度帰国することにした。
 久しぶりの日本で見る日本人の女性たちは、やっぱり美しかった。爪先から頭のてっぺんまで、綺麗で清潔を心がける美意識は世界でもトップレベルだ。
 きっと私だってそうだったはずなのに、なんだか別世界を眺めているようで、切なさと同時に、自分は自分だと思えるようにはなった。
「いーのよ、これで! 大切なのは、中身!」
 これまでの逆、必要以上にそう思ったのは事実。ところが、その考えもまた大バカだったとわかったのは、その後すぐ数ヶ月の旅にでて、その間にタイのバンコクにいる親友クリナの家を訪ねたときだ。

 きっと、彼女は久しぶりの私を見て「素敵な女性になったじゃない!」と言ってくれると思った。なんとなく、そんな自信もあった。
 けれど開口一番に、彼女は私をまじまじと見て、こう言った。
「のぞ、旅ってそんな過酷なの?」
 むむ? どういうことかしら? 質問の意図が読めず、
「そうね、もちろん過酷だし、たくましくなるね」と答えると、彼女はだまったまま、再び私をまじまじと見て、こう言った。
「たしかにたのもしくなった。すごく素敵だと思う」
 ほうらね! もう~、もったいぶらずに早くそう言ってよね!
「でも」と、彼女は間髪を容れず一言つけ加えてから、私の顔から全身を丁寧に見て、ビシッと言い放った。
「でも、女を捨てている!」
 な、なんですって!
「キラキラしていない」
 が────ん!(涙)
 このやりとりが舞台の劇だったら、ここで一度暗転という感じ? 実際はそうならず、彼女は続けた。

「オス化した」
 …………(絶句)。
 ここで、完全に私の舞台の暗幕は下がってしまった。

 旅をして、私自身は空っぽの陶器から少し中身の詰まった、重みのある陶器になったと思った矢先、一方で女子度をぐんと低下させていたという現実に衝撃を受けた。
 それはつまり、綺麗に見えない重いだけの陶器?
 オーマイガー。そこまでだったとは……。
 あああああ。地面に四つん這いになってうなだれる私。
「だって、だって、過酷だったのよ」
 それでも自分なりに気を使っていたはずなのに!
 打ち拉ひしがれる私の肩をそっと優しく抱きしめ、彼女はこう言った。
「大丈夫。ここは美容大国タイランド、美(オンナ)を取り戻しましょう!」
 え、今なんて?
 突然親友に後光がさし、世界がぱ~っと明るくなった。
 実際、タイの街ですれ違うタイ女性ってハッと振り返りたくなるほど綺麗な髪や肌、スタイルをしている。そうだ、タイにいたら、きっと私は美を取り戻せるはず! とはいえ、今回はもうすぐに帰国しなければならない。
「日本に帰っても、美容には時間もお金もかかるんだから、すぐにバンコクに戻っておいで。そして一緒に女子度をあげていこう!」
 ああ、女神さま、私、あなたの言う通りにいたします!
 かく言うクリナも、女一人で小さな3男児を育てている(旦那さんは別の国に赴任中)。だから、彼女自身も家事育児で失われた美を取り戻したいのだと言うから、旅女はママ女と固い握手を交わし、一緒にがんばろうと誓い合った。
 そして、中身のずっしりとした陶器に、新たに自分らしく美しい絵を描いていく。それは想像するだけでも、理想の美しい女性像な気がする。うん、そうだ、真の美しい女性まで、あと一歩よ(その一歩が非常に大変&遠いのだけど……)!
 再び、舞台の暗幕があがっていく。
 さあ、第2部の幕開けだ。やってやろうじゃないの!(鼻息)

 というわけで、再びバンコクへ行くことにした。もちろん美のためだけに!
 それで、いつもは格安航空会社LCCを使い、安さだけで選んでしまうところだけど、今回は迷わずタイ国際航空を選んだ。ANAでもJALでもなく。
 タイへ美を学びに行くのだから、生半可な気持ちで日本の飛行機を使ったって仕方ないし、日本人のタイ好きな友人たちに、「いつも何航空で行くの?」と聞くと、「タイ国際航空」と言うじゃないの。

「羽田からタイの風がふくよ。タイ人のCAさんが可愛いよ、乗ればわかるけど」
 間違いない。タイ国際航空で行ってやる。美のレッスンは羽田空港からスタート! 一秒もムダにしないわ。
 さあ、32歳の旅女、オス化して失われた美を取り戻すため、美容大国タイ・バンコクへの旅が始まった。

(つづく・『恋する旅女、美容大国タイ・バンコクにいく!』より)


今後の「幻冬舎plus」での記事公開予定
6月10日(水)はじめに
6月11日(木)「美」への道はタイ航空から始まる(前編)
6月12日(金)「美」への道はタイ航空から始まる(後編)
6月13日(土)カサカサな肌をひと剥き、さようならオス肌(前編)
6月14日(日)カサカサな肌をひと剥き、さようならオス肌(後編)
6月15日(月)予約の取れない病院で本格的にシミ・ソバカスを撃退 (前編)
6月16日(火)予約の取れない病院で本格的にシミ・ソバカスを撃退(後編)

作品情報
書籍は6月10日より全国主要書店およびネット書店で発売いたします。さらに電子書籍も同時に発売。なお電子版は著者が帰国後に追加取材をして執筆した「"タイ国際航空"の現役日本人キャビンアテンダント(CA)の皆さんに聞いた美の秘訣」を電子版限定特典として収録!  どちらも要チェックです!

恋する旅女、美容大国タイ・バンコクにいく! / 小林希(著) 
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恋する旅女、美容大国タイ・バンコクにいく!【電子版限定特典付き】/ 小林希(著)
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目次
はじめに


第一章 「旅でオス化したあれこれ、美(オンナ)を取り戻せ!」 

・「美」への道は、タイ国際航空から始まる――機内からタイがスタート! 女心と旅心を満たしてくれる美しい始まり
・カサカサな肌をひと剥き、さようならオス肌——駐在員妻の流行のシミ取りクリームで肌ピーリング
・予約の取れない病院で本格的にシミ・ソバカスを撃退―−1日10人の日本人女性が押しかけるフルーツ酸ピーリング
・見た目が悪いほど、効果絶大なかっさマッサージ―—滞った体の血液を流して全身のくすみと疲れを取る
・体にこびりついた強情なセルライトを除去ーー不思議なマッサージ屋で、脂肪とともに体についたアレも取って、スッキリスリムに!?
・脱・おばさんの一歩として化粧を見直すーータイのプチプラコスメとタイ美人のメイクに学ぶ
・クーパーを守れ!――オス化による女性ホルモン減少で、バストがしぼむ&垂れるのを食い止める
・女性らしい身のこなしレッスンーーミススカート美女に習う、バイクタクシーを白馬に見せる乗り方
・旅先で、イケイケのファッショニスタになるーープチプラファッションで着てみたい服をとことん挑戦する
・美人は「保湿」で作られる——タイの美女達に直接聞いた、美しい肌になるためにしているすべて

第二章 「旅でもっと綺麗になる!」

・人生初のオートクチュール―—布選び、身体測定、デザイン……私だけの服を作って姫になる
・ボディジュエリーで輝く―—ブロンズ肌にタトゥ気分で、ワイルドでかっこいい女を気どろう
・爪先から女子度をあげる——ネイルはゲイにお任せあれ。ついでに見習うべきあれこれ
・パワーストーンを作って柔らかく素直な女になる―—駐在妻御用達のヤニンさんによるスピリチュアル鑑定
・美味しい屋台料理は美の宝庫―—地元のイケメンとの交流で胸きゅん、気づけばおかわり3皿目
・ムエタイを観戦&体験レッスン―—トキメキながらストレス発散して引き締まった体になる
・絶叫から始めるタイ料理教室——美容によいタイ食材を使いこなし、料理のできる女に生まれ変わる

第三章 「旅女が試した美アイテム、嘘なしトーク」

・【フェイスケア】
・【ボディケア】
・【ヘアケア】
・【お役立ちグッズ】
・【食べ物】

おわりに
・女二人のプチ美をめぐる旅 その1ーーチェンマイの豪華ホテルに宿泊、プリンセルツアーで女である喜びを味わう
・女二人のプチ美をめぐる旅 その2ーー占い師マダム・エヌによる壮大な時空旅行と美しい人生について考える

あとがき


電子書籍特別付録 "タイ国際航空"の現役日本人キャビンアテンダント(CA)の皆さんに聞いた美の秘訣(電子書籍のみ)

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