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2015.06.03

第1回

自分がイラっとしたことに気づかない自分

小池 龍之介

自分がイラっとしたことに気づかない自分

 今回から始まるこの連載の題を、「マインドフルネスな日々」と銘打ってみたものですから、初めに少しだけ、マインドフルネスそのものについて、触れておきましょう。

 マインドフルという英単語は元来、「注意を向けている」という程度の日常語でありまして、たとえば、”Be mindful of your steps.”といえば、足元にご注意ください、といった素朴な意味あいになります。

 仏道において、自らの身体の細部や感覚、そして感情へと純粋な意識を向けて観察することを念(サティ)と呼ぶのですが、この仏教語を欧米の人々が英語に訳して持ち帰ろうとした際に、ちょうどよい単語が他にないものですから、mindfulness―マインドフルネス―とかinsight―インサイト―(直観という意味ですね)などと、訳されることになったのです。

 日本語には、「念入りに」と表されるように「念」という言葉が元来定着していますが、近年は「気づき」という用語で訳されることが多いものです。ただし気づきと申しますと、内面の純粋観察のみならず、「今日は、仕事のやりかたについて素敵な気づきがありました!」などという際のニュアンスと混同されがちでもありましょうから、私は「念」という言葉を好んで用いております。

 さて、この「念」=「マインドフルネス」を訓練して洗練させてゆくことを、ほぼ24時間体制でおこない続けるのが、もっぱら、私のお寺での日々なのです。

 この、「念」がどのようなものなのかは、おぼろげながらも体験していただくのが一番。次のことを試してもらえますでしょうか。

 どんなささいなきっかけであるにせよ、これから先、イラっとすることがあるなら、それに少しでも早く気づくように、努めてみてください。イライラのきっかけは、たとえば出かけたいのにお天気が悪い、であっても、仕事が思ったよりスムーズにいかない、でも、あるいは家族がヌメヌメしたナメコをPCのキーボードになすりつけて汚した、でも、何でもかまいません。

 肝は、少しでも早く気づく、ということ。裏を返しますと、イラっとし始めてから瞬時に気づくこともあれば、イラっとして2~3秒して気づくこともあれば、1分くらい経ってから気づくこともある、ということなのです。つまり、少なくともいくらかの時間、自分のことを知らない、気づいていない時間がある

 ええー、そんなはずはない、自分は自分がイラっとしたことくらい知っているはず、と
お思いでしょうか? いいえ、人間には、自分が何を感じているのか知らない時間が、あるのです。なるべく早く気づこうと試みていただければ、初めて分かるであろうこと。それは、いかに心が、私たちの意識を置いてけぼりにして、不意に感情をつくり出していることか!……ということです。

 真剣にその事態を捉えてくださいましたら、いくぶん、不気味な感じがしませんか。私たちの意識が気づくより先にイラっとしているとは、実は、私たちの意識は感情に対して実権のない、お飾りの名誉会長のようなものに過ぎないということなのです。

自分が自らの意志でイラっとしているんだ」というのは思いこみで、①「先にイラ立ちが生じ」→②「後から気づく」ことしかできないのです。

 己の心にマインドフルであるとはすなわち、この「後から気づく」のスピードと精度を高めてゆくことにより、名誉会長の知らぬ間に感情を決定されてしまっている心の闇に対して、パァーっと光を当てる作業。闇に、念の光が当たることで、無自覚に喜怒哀楽に翻弄されることから、解放されてゆくのです。

 

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