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2015.05.10

第9回

詩人、手のひらで味わう

文月 悠光

詩人、手のひらで味わう

 馴染みのない言葉、馴染みのない顔、馴染みのない風、馴染みのない食べもの……。ドバイに行くまでの私はそれらが漠然と不安だった。もともと新しい事柄や、予定外の出来事は苦手な質だ。人から何かを教わることさえ、何かを試されているようで怖くなる。
 だけど、この旅なら楽しめるかもしれない。新しい文化に触れるって面白い。誰かに何かを教わるのって嬉しい。そのことを心の底から確信した夜があった。洗礼を浴びたような夜だった。

2015年1月21日

 滞在三日目のこの日の夜、地元の人に人気のイエメン料理〈マンディ〉が食べられるレストランを訪れた。案内してくれたのは、シェーク・モハメド・ビン・ラシード・アル・マクトゥーム財団の担当者Abdelaziz氏。

 

マジリスに案内するAbdelaziz氏(左)と笑顔の店員(右)

 レストランの席は二種類。入口の近くには一般的なテーブルと椅子席。店の2階には、絨毯の敷かれたマジリス(客間、応接室)が個室で設置されており、靴を脱いで絨毯の上でくつろぐことができる。絨毯の上で食事? 私たちは初めてのマジリスに興味津々。日本でいうお座敷のような感覚だろうか。

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