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2015.05.03

第8回

詩人、アラブを食す

文月 悠光

詩人、アラブを食す

  異国の旅に付き物なのが、新たな食べものとの出会い。それは現地の人々と打ち解けるきっかけにもなる。実際、私はアラブの食事に馴染んでいくにつれて、UAEの人々に親しみを覚えるようになった。目の前のひと皿に挑めば、思わぬ味が潜んでいて、舌も胃が撃たれたように震えた。増幅する好奇心。おお、これが食べるってこと?味わうってこと?
 外国人労働者が多く住むUAEには、様々な国の料理屋が点在している。インド、イラン、モロッコ、トルコ、レバノン、イエメン、エジプトと幅広い。「これはイラン料理だよ」「レバニーズだよ」と教えてもらうが、基本形は皆よく似ている。同じ食文化を共有し合っていたのだろう。
 各所に地元発祥のエミレーツ料理のレストランがある。レストランの壁には、近代化前のドバイの風景写真が掲げられ、砂漠の民の人形やラクダの置物が置かれている。UAEの「古き良き時代」を再現しているようだ。 

 

  最初に運ばれてきたのは野菜の前菜。ひよこ豆と練りごまをペースト状に混ぜた〈フムス〉、パセリとトマトを刻んだサラダ〈タブラ〉を、丸いナンのようなパン〈クマージュ〉につけて頂く。どちらもさっぱりとした味わいで飽きない。

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