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2015.03.19

受注センターのない出版社のはなし

幻冬舎 営業局

受注センターのない出版社のはなし


営業局Sです。

いきなりですが、幻冬舎には、受注センターがありません。書店さんや個人のお客様からのご注文は、全て営業局で受けています。アルバイトから局長まで、それぞれの仕事をしながらの受注作業。新聞広告やテレビで本の紹介があり、その効果が絶大だった場合などは、大変ありがたいことに電話の受けすぎで耳が痛くなります。「受注センターを作ればいいのに」という声も聞こえてきそうですが、この方式、なかなかに大切な発見が日々あるのです。今回も2月下旬あたりから、昨年末に出版された、とある本の注文をよく受けるようになりました。

その頃に起きた事件があります。川崎市多摩川河川敷殺人事件です。ニュースを見ながら、犯人への怒りを抱くと同時に、「なぜ、お母さんはあんなに顔を腫らした息子をほっといたのだろう」と思われた方も少なくなかったはずです。でも後に発表されたお母さんの「学校に行くよりも前に私が出勤しなければならず、また、遅い時間に帰宅するので、日中、何をしているのか十分に把握することができていませんでした」というコメントを読み、胸が締めつけられるような気持ちになりました。10年以上前から私も一人で息子を育てていますが、離婚をしたタイミングで「たまたま」実家に戻ることになり、「たまたま」母に家事育児を手伝ってもらうことが出来、「たまたま」フルタイムの仕事に就いていました。おかげさまで息子は今年成人を迎えるので、ほっとしています…って、いやいやいや、育児ってこんな風に「たまたま」「自分は運が良くて」で進んでいく世の中でいいのか?どんなお母さんも、安心して子供を育てられる世の中ではないといけないのではないか?

2月下旬から注文が増えているのは、NHK「女性の貧困」取材班『女性たちの貧困“新たな連鎖”の衝撃』です。事件との関連性が直接ある本ではありませんが、被害者とお母さんの生活から何かを感じとった方がいらっしゃるのではないかと私は思っています。

内容を一部ピックアップしてみますと、

第三章「母一人」で生きる困難
・シングルマザーは“貧困の連鎖”の始まり
・三人の子どもを抱え四つの仕事を掛け持ち
・幼い子どもを抱えて非正規の仕事を転々
・必死に働いたがために給付金を減らされる
・「結局、何をしても低収入」という諦観

「自分には関係ない」「離婚してないし」「離婚するほうが悪い」と思われる方もおられると思います。しかし、「何か」が気になった方々が、この本を見つけ読んでみようと思われての注文増のような気がします。もし、「何か」が気になりましたら、是非ご一読ください。今回重版が決定し、帯を一新して出荷します。合わせて鈴木大介氏『最貧困女子』、鈴木伸元氏『加害者家族』(ともに幻冬舎新書)も出荷予定です。
 

NHK「女性の貧困」取材班『女性たちの貧困“新たな連鎖”の衝撃』

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鈴木大介氏『最貧困女子』

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鈴木伸元氏『加害者家族』

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