初めまして、詩人の文月悠光(ふづき・ゆみ)と申します。私は先日、中東の商都ドバイに約1ヶ月滞在しました。文化交流と作品制作を目的に、4人の日本作家と、コーディネーター1名が日本から送り出されたのです。
 たかが1ヶ月、されど1ヶ月。毎日様々な出会いを経験しました。荷物のパッキングに追われ、刺激的なアラブ料理に胃袋をゆだね、突然の記者会見もこなし……という日々の中、この生活を記録せねばと、移動中のバスの中でキーボードを叩きました。とにかく目も眩むような毎日でした。今回は日記形式で、最初の一週間の模様をお届けしましょう。

 

2015年1月26日

 中東の商都・ドバイに滞在して1週間。未だにドバイの街に実感が湧かない。誇張ではなく、映画のスクリーンや写真の中を泳いでいる心地がするのだ。街には個性的なビルが立ち並び、「このどれか一つだけでも、ランドマークになりうるのでは」と思うほど。その様子はまるでSF都市。現実感を失う光景だ。 

 

都市部に立ち並ぶ高層ビル。中央は世界一の高さを誇る展望台バージ・カリファ。

 

 この街を訪れる人は、主に二つのタイプに分かれるだろう。一つは「観光」、もう一方は、都市の発展を支える「出稼ぎの労働者たち」。多数のホテルや旅行会社がひしめき、日本のTOYOTAやYAMAHAをはじめ、海外企業の支社が目白押し。

 世界一高いビル、世界最大の屋内スキー場、世界一広い国際空港……何が何でも「世界一」を目指す都市らしい。だのに、そこで暮らす人々は、ゆったりと自分のペースを保っている。不思議でたまらない。沢山の移民を受け入れながら(なにせ出稼ぎの外国人労働者が住民の9割)治安もよい。昼の暑さを避けるため、夜中の23時に子供たちが平気で道を走っている。英語が下手くそだからといって、ここでは全く馬鹿にされない。なぜなら多くの人がよそ者だからだ。

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