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30万部『おかげさまで生きる』第2弾 見守られて生きる

2015.03.06 公開 ツイート

救急医療の第一線で命と向き合い、わかったこと【第1回】

「生」が始まりで「死」が終わりではない 矢作直樹


 救急医療の第一線で多くの命と向き合う著者が書いた『おかげさまで生きる』は、発売直後から大反響。その第二弾エッセイ『見守られて生きる』が、3/10(火)に発売されます。人は必ず死ぬのに、なぜ苦しんでまで生きるのか? 仕事や家族、恋愛、お金など、この世で感じるストレスや悩みごとを解決するヒントがつまっています(全5回)。


 私は前著『おかげさまで生きる』(幻冬舎刊)で、死後世界がいつも私たちのすぐ身近に存在するということを書きました。これは「魂(たましい)」という存在を肯定できれば、すぐに理解できる話です。

 誰にでも、いつか必ずやって来る死。

 それは恐れおののくものではなく、私たちがこの世界に生まれ出(い)でる直前までいた「場所」に帰るというだけの話です。

 私たちの体から魂が完全に離れてしまうことを、私は「肉体の死」と言っています。救急の現場で重篤(じゅうとく)な患者さんを治療している最中、患者さんの肉体から何かが切れる、というか何かがスーッと離れていく瞬間を、これまで何度も感じました。するともう、その患者さんが戻って来ることはないのだという事実も知りました。

 肉体と魂が、何かひものようなものでつながっていると考えるとイメージしやすいかもしれません。このひものようなものを、古神道では魂(たま)の緒(お)、西洋スピリチュアリズムではシルバーコードと呼んでいます。

 私たちの肉体は、私たちの魂が操作している物質です。

 ご当地キャラが何かと話題ですが、あれと同じく、いわば「着ぐるみ」です。この世は物質世界ですから、肉体という物質をまとって生活することが必要なのです。その肉体が何らかの原因で朽(く)ち果てると、魂は着ぐるみである肉体から離れて私たちが元いた場所へと帰還する。

 これが「魂は永遠に生き続ける」というしくみです。


 著作活動を続けていて、ひとつわかったことがあります。

 それは、こうした事実を女性は世代を問わず、割とすぐに受け取ることができるけれど、男性は世代を問わずなぜか受け取るのが難しいということでした。

 永遠という概念が、文字で見る印象以上に実感としてとらえにくいものですから、右脳(直観)が優位な女性と、左脳(論理)が優位な男性では、意識面での乖離(かいり)が生まれてしまうのだろうと感じます。

 しかしながら、魂が永遠のものであるというしくみを理解できないと、私たちがこの世で感じる多くのストレス、例えばお金、仕事、恋愛、友人関係、家庭などにおける悩みごとは、いつまで経っても解消しにくいのではないでしょうか。

 今悩んでいることは、もしかしたら前の生(前世)で自分が積み残してしまった、クリアできなかった課題ではないのか? 少しだけそう考えることができれば、私たちはそのストレスに悩みながらも、課題を解決するために立ち向かうことができます。

 ちなみに魂が永遠のものであるからといって、今回の生を軽んじることは許されません。今回の生は今回限りです。二度と同じ内容の生はありません。今、皆さんが演じている「役割」も、次回の生では全く違うものとなります。
さらに今生での自分の学びを終えないまま人生を終えると、次の生に課題として積み残されます。

 ここで、私たちが知るべき事実が二つあります。

 それは「自分も他人も、いろいろと学ぶために生まれた」という事実、そして「この世の誰にも他者の学びを邪魔する権利はない」という事実です。

 人生はたった一度きりであるという考え方も、そろそろやめたほうが良いでしょう。魂という根源的な存在を認めることができれば、すぐに理解いただける真理だと思います。
 

*第2回「みんな何かを学ぶためにこの世に生まれてきた」は3月10日(火)公開予定です
 

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矢作直樹 東京大学医学部救急医学分野 教授

1956年、神奈川県生まれ。81年金沢大学医学部卒業。82年富山医科薬科大学の助手となり、83年国立循環器病センターのレジデントになる。同センターの外科系集中治療科医師、医長を経て、99年東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻教授、精密機械工学専攻教授を兼担。2001年より東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および医学部付属病院救急部・集中治療部部長となり、現在に至る。

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