SNSがぼくらにもたらした成果

今、世界は確実に「小さく」なっている。さらに、すべての人において個人の秘密を保つことが難しくなっている。それに伴って、他人を許せない人たちや、バッシングしないではいられない人たちの動きが騒々しい。

 大雑把な図式を言えば、「唾棄」すべき「悪人」が発見されたとき、マスコミとネット社会は先陣を競うようにして、バッシングを開始する。いったんその流れが定まってしまうと、一般の人々はよく理解しないままに追随し、さらに大きな「世の中の声」を作るようになるわけだ。

 いうまでもないが、これは、インターネットとSNSの普及による「成果」である。新しいデバイスを得たことで、ぼくらは容易に他人の弱みにアクセスして、それに付け込むことができるようになった。

 さらに言えば、ネットの匿名性が、ぼくらの過激さを助長する。ひきこもりでも、ニートでも、ブラック企業の社員でも、だれであろうと、多少の文章のレトリックと他人をふみにじる傲慢さを備えていれば、一瞬のことではあるが、この世界の「王」のように振る舞うことができる(しかし、この匿名性も実は仮のものであり、あらゆる情報はサーバーに管理されていることを知っておく必要がある)。

 ここではまず、あるTVドラマのシーンを例としてあげてみよう。最近のアメリカの人気テレビドラマに、『ハウス・オブ・カード』という作品がある。

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