僕はこのオリンピック招致委員会が作成した文面の方向性を、「よせばいい年寄りの冷や水」と見ます。そういうイチャモンは消極主義であり、ビンボー臭い負け犬根性に過ぎない――という批判は当然あるでしょう。けれどこちらも負けたくてこんなことを言っているわけではありません。「負けないために、勝つために、そろそろ勇気と知恵を持って、やったことのない新しい工夫にトライするべき時期ではないの?」と言いたいのです。

 新国立競技場の問題に限らず、最近の日本で一部の人が発する「高度経済成長期(あるいは日露戦争あたり)の夢(成功体験)よ再び」というメッセージには、僕はたいてい嫌な予感しかしません。その考え方自体が、逆に「負け」を呼び込みそうで。「歴史は繰り返す」にしても、それは人智を超えた歴史の運命がそうさせるのであって、失敗から学ばず「バカの一つ覚え」しかしない人間には、都合よく「二匹目のドジョウ」は用意されないものだと思います。

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