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2014.12.19

相次ぐ犬の遺棄事件、背景にペット産業の問題点 大量生産・大量廃棄の非効率ビジネスは限界に

渋谷 和宏

相次ぐ犬の遺棄事件、背景にペット産業の問題点 大量生産・大量廃棄の非効率ビジネスは限界に

 日本は経済力や技術力は言うまでもなく住みやすさや治安、市民社会の成熟度合などの点で世界に誇れる先進国だと思う。しかし最近の報道に接するにつけ、後進国と見まがうような悪質な業者の存在や、その非効率な仕組みに憤りさえ感じる産業がある。ペット産業だ。

 相次ぐ犬の遺棄事件、ペットショップで購入したはいいが飼えなくなったからと捨てられたりして年間約21万匹の犬と猫が全国の保健所などに引き取られ、うち約16万匹が殺処分されている現実(2012年度の数字)──。
 ペットフード協会の推計によれば全国の犬・猫の飼育数はそれぞれ1083万匹、974万匹に上り、ペットフードなど関連商品を加えた市場規模は2013年度で約1兆4200億円(2013年度、矢野経済研究所調べ)にも達するという巨大なペット産業──しかし、抱える問題点は大きい。

 全国で犬の大量遺棄事件が相次いでいる。
 この12月9日、栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷などに犬72匹の死骸を遺棄したとして宇都宮区検は元ペットショップ店員で、今はペットの引き取り業を営む30代の男性らを、廃棄物処理法違反などで宇都宮簡裁に略式起訴した。
 この事件が発覚して以降も、犬の不法投棄を疑われる事件が頻発している。共同通信の集計によると、これまでに判明しただけで遺棄された犬は埼玉県で46匹、山梨県で39匹、長崎県で7匹、佐賀県で21匹など合わせて200匹以上に達している。大半はトイプードルやミニチュアダックスフンド、チワワなど人気種の成犬で、ほとんどは既に息絶え、かろうじて生きていた犬も多くは衰弱していたという。
 なぜ遺棄事件が続いているのか。きっかけは2013年9月の改正動物愛護管理法の施行だ。法律が改正される以前は、自治体が売れ残った犬や猫をペットショップやブリーダー(繁殖業者)から引き取る場合が少なくなかった。改正動物愛護法は「自治体が業者から引き取りを求められても拒否できる」と明記し、これを受けて、全ての都道府県が業者からの引き取りを原則として断るようになった。
 この結果、売れ残った犬、猫をペットショップやブリーダーから引き取る業者が登場し、その一部が不法に遺棄しているのだ。
 逮捕された元ペットショップ店員の引き取り業者は取り調べに対してこう供述しているという。「ブリーダーから100万円で犬を引き取ったが、途中で死んでいるのに気付き、以前廃棄した河川敷や山林に死骸を捨てた」。
 動物愛護管理法改正は売れ残った動物の面倒を最後まで業者に見させるのが趣旨だが、売れ残った犬や猫を身勝手な理由で処分する業者らを日常的に監視し、取り締まる仕組みは今のところない。いわば法の不備を突く形で、遺棄事件が頻発しているのだ。

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