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2014.11.24

試し読み

第二回 タイムマシーンに乗って縄文時代に行くことにしました

菅 広文

第二回 タイムマシーンに乗って縄文時代に行くことにしました

ロザンの菅広文さんが書いた『京大芸人式日本史』 の進撃が止まりません! 受験生はもちろん、「日本史を学び直したい」と思っている大人の読者からも、「面白かった!」「日本史の流れがわかった!」との 声が届いています。続々重版を記念して、本書から一部抜粋してお届けします! まだ読んでいない人のために、ちょこっと公開。まずは、とにかく読んでみてください!

 

「むかしむかし、あるところに日本人がいました」
 テンション低めに宇治原が僕に言った。
 テンション高めに僕は宇治原に返した。
「もっと感情込めて言えや! 寝る子に絵本読んでるんちゃうぞ! 寝てしまうわ! 寝てしまったろか? なあ? 寝てしまったろか?」
 もちろん宇治原に「日本史の教科書を物語のように読んでもらうこと」が理不尽なのは、分かっていた。
 しかし、ここで引いてしまってはいけないことも経験上分かっていた。
「あなたが日本史の教科書を物語のように読んだらいいって言ったんですよね? そう言ったのは、僕ちがいますよね? あなたから言いだしたんですよね?
 じゃあ、物語にして読んでくださいよ! 聞きますから!」
 の発言をするくらいのテンションでぶつかっていかなければ。少しだけテンションを上げた宇治原が、もう一度言った。
「むかしむかし、あるところに日本人がいました」
 僕は宇治原に質問した。
「むかしむかしっていつ?」
 元の低いテンションに戻った宇治原が言った。
「……そら、初めは縄文時代からでいいんちゃう?」
 もう1つ宇治原に質問した。
「なるほど。じゃあ、あるところってどこ?」
 さらに低いテンションで宇治原が言った。
「……縄文時代やから、モースさんが見つけた東京の大森貝塚でいいんちゃう?」
 正直に言うと大森貝塚のことは覚えていなかったが、知ったかぶりをして、さらにもう1つ宇治原に質問した。
「なるほど。モースさんが見つけた東京の大森貝塚やな。ほんで、そのあるところにいた日本人は誰なん?」
 宇治原が言った。
「……縄文時代やから縄文人や」
 僕は宇治原に質問した。
 初めが肝心だ。自分の聞きたいことを聞かなければ。
「縄文人のどなたさん?」
 面倒くさそうな宇治原。
 中学生の頃に友達から電話がかかってきて電話を切ったあと、お母さんからされる恒例の質問「誰からなん?」に対して答える、恒例の回答を宇治原が言った。
「誰でもいいやん」
 誰でもいいことはない。すごく気になる。
 今やっと、お母さんの気持ちが分かったような気がした。
 僕は宇治原に「誰でもいいことないやん。気になるやん」と、学生の時にお母さんが言っていたセリフと同じことを言った。
 すると宇治原が、またもや面倒くさそうに答えた。
「おまえの好きにしいや。おまえは誰がいいの?」
 なかなかナイスな提案を、宇治原が自らしてきた。
 このチャンスを逃してはいけない。僕は会いたい人物を宇治原に伝えた。
「縄文土器に初めて縄の模様つけた人にしてや」
 戸惑う宇治原。
 お母さんの「誰からなん?」の質問に「え? 彼女やで」と言っていたら、こんな顔をされただろうか?
 もう1つ、宇治原が戸惑うであろうことを僕は言った。
「その人に、俺がタイムマシーンに乗って会いに行く物語にしてや」
 息子の発した〝彼女の名前〟が外国人だった時のお母さんのように、宇治原はカタカナを呟いた。
「タイムマシーン?」
 僕は物語の中とはいえ、タイムマシーンに乗りたかったのだ。
〝むかしむかしの悪いやつ〟に追いかけられて、捕まる一歩手前で命からがらタイムマシーンに乗り込みたかった。
 さっきよりさらに低いテンションで、宇治原が口を開いた。
「縄文時代の大森貝塚の近くで、縄文土器に初めて縄で模様をつけた人がいました」
 

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