ロザンの菅広文さんが書いた『京大芸人式日本史』の進撃が止まりません! 受験生はもちろん、「日本史を学び直したい」と思っている大人の読者からも、「面白かった!」「日本史の流れがわかった!」との声が届いています。続々重版を記念して、本書から一部抜粋してお届けします! まだ読んでいない人のために、ちょこっと公開。まずは、とにかく読んでみてください!
 

 ある日、僕はもう一度日本史を習いたいと思った。
 なぜもう一度日本史を習いたいと思ったのか? それは単純な理由だった。
 正月明けに、新聞でセンター試験の問題が掲載されているのを見たのだ。何気なくその問題を読んでみた。数学、理科、日本史、国語、英語の問題をざっくり読んで、僕は思った。

「え──!? 全然分かれへんようになってるやん! 現役の時もそんなに分かってなかったけど、今はピクリとも分かれへんやん!」

 一人でヘラヘラ笑ってしまった。
 いつものように4コマとテレビ欄だけ見とけばよかったと後悔した。解けるかも知れないと調子に乗ってしまった自分を恥じた。
 正直、数学や英語が分からないのは納得出来た。
 なぜなら、数学の公式も英単語も、完全に忘れていたからだ。
また調子に乗ってしまった。
 なぜなら現役の時から、そんなに分かってなかったからだ。
 ただ、自分の中でどうしても許せなかったのが、いちばん得意科目だった日本史の問題もまったく分からなくなっていたことだ。

 もちろん日本史は暗記科目なので、「忘れているので解けない問題」があるのは理解出来る。しかし、暗記出来ている出来ていない以前に、「日本史の流れ」すら頭に入っていなかったのだ。
つまり、学生時代にあれだけ勉強したことはどうやら無駄だったということだ。
 また調子に乗ってしまった。
 なぜならそんなに勉強していなかったからだ。
 僕は高校時代に、宇治原から聞いた言葉を思い出した。

「日本史の教科書は物語のように読めば絶対に忘れない」

 つまり、「物語を読むように読めば、流れが頭に入ってくるので忘れない」というのが宇治原の理屈だった。
 僕は押入れから日本史の教科書を引っ張り出してきて、読んでみようと思った。
 押入れを開けて、分かったことがあった。
 押入れには日本史の教科書は無かった。掃除機しかなかった。
僕は自分が、学生時代の教科書を大人になってからも押入れに置いておくほど出来た人間ではないことを忘れていた。押入れに日本史の教科書が入っているかも……と、一瞬でも思った自分を恥じた。
 すぐに近くの商店街にある本屋さんに行って教科書を買って帰り、読んでみることにした。
 ある程度読んでから、僕は宇治原に質問したいことが、3つ出来た。

「こんなに難しい本を、どうやったら物語のように読めるのですか?」
「それはあなただから出来たことではないのですか?」
「また自慢ですか?」

 と。
 宇治原は「宇治原しか出来ないこと」を、さもみんなが出来るように人に話す時がある。
 つまり何が言いたいかというと、僕ぐらいの頭脳レベルでは、この教科書の文体を物語のように読むことは不可能に思えたのだ。
 僕は持ち前の嫌な性格をフルに活かし、勝手に周りも巻き込んでみることにした。
 世の中には「物語を読むように日本史の教科書を読むことなんて出来ない」人が、たくさんいるのではないかと。出来ないのは、僕だけじゃないのではないかと。
 そうなると、やるべきことが見えてきた。
 ただ1つだ。
 それは、「読みやすい日本史の物語を僕が作ればいい」ということだ。
 出来ないことを言ってしまった。
 僕が宇治原に、日本史の物語を作ってもらえばいいのだ。
あともう1つ、大切なことがあった。
 こうなると僕ではなく、宇治原が日本史の教科書を読むことになる。
 だから宇治原に日本史の教科書代を請求しなければ。
 

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