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2014.08.29

介護、カラオケ…コンビニの進化が止まらない ネット通販への危機感から"究極の御用聞き"へ

渋谷 和宏

介護、カラオケ…コンビニの進化が止まらない ネット通販への危機感から

 私たちにとってなくてはならないコンビニエンスストアの進化が止まらない。いまや小売りにとどまらず、他の業態を呑みこみ、異業種と提携して、介護やエンタテインメント、外食などの様々な分野に業容を拡げている。
 ローソンはこの8月18日、介護事業やフィットネスクラブを手掛ける異業種と提携し、高齢者や自宅で介護を受けている人たちを支援する進化型コンビニの出店計画を発表した。
 ファミリーマートが今年4月以降に打ち出したカラオケルームや定食レストランとの一体型コンビニは若者を中心に人気を集めている。
 コンビニの業績は大手を中心に好調だ。2014年2月期の決算で、セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートの大手3社は本業のもうけを示す営業利益が過去最高となった。新規出店の勢いも増し、大手3社の合計出店数はこの1年で約4000店にも達している。
 それなのに、なぜリスクのある小売り以外の分野への積極進出を目指すのか。
 背景にあるのはネット通販の急成長だ。リアル店舗の存在意義さえ揺るがしかねないネット通販への危機意識がコンビニの進化を後押ししているのだ。
 コンビニの進化は新たな需要の掘り起こしに成功するだろうか。それはまたスーパーや専門店など他の小売りにどんな影響を及ぼし、私たちの生活をどう変えていくのだろうか。

 ローソンが計画する介護拠点としてのコンビニは、これまでのコンビニの概念を打ち破るものだ。
 1号店は2015年2月、埼玉県川口市に出店する予定で、首都圏で介護事業を手掛けるウイズネットと提携してケアマネジャーを常駐させ、生活支援のアドバイスをしたり、必要に応じてデイサービスや老人ホームなどのサービス・施設を紹介したりする。さらにサロン風のスペースを店内に作り、高齢者が気軽に集えるようにする。
 2号店以降は全国でフィットネスクラブを運営するルネサンスと提携し、簡単な運動やストレッチのできる場所を店内に設ける予定だ。今後3年間で首都圏や大阪、名古屋など大都市を中心に30店舗を出店するという。
 高齢者を意識したサービスの強化はローソンが初めてではない。セブン-イレブンは昨年9月以降、主に高齢者に向けた商品の宅配事業を強化しており、電動アシスト自転車を全店舗に、小型電気自動車を一部の店舗に導入して、総菜や飲み物、日用品などを頻繁に来店するのが難しい高齢者などの自宅に届けている。また老人ホームなどの高齢者施設に昼食をまとめて届けるサービスも手掛けており、これら宅配事業の売上高を2015年度に1000億円と2012年度の5倍に増やす目標だ。
 とはいえセブン-イレブンの取り組みはあくまで小売りの延長線上にある。介護サービスにまで踏み込んだ点で、ローソンが目指すのはこれまでとは別次元の進化にほかならない。

 一方、ファミリーマートが進めるカラオケや定食レストランとの一体型店舗は若者を意識した進化だと言えるだろう。
 カラオケとの一体型店舗の1号店は今年4月、東京・大田区にオープンした「ファミリーマート+カラオケDAM蒲田南口駅前店」だ。カラオケルームを全国に展開する第一興商との提携店舗で、店舗にカラオケ専用レジがあり、そこでチェックインしてカラオケルームに進む。
 料金体系は通常のカラオケルームと変わらないが、カラオケルームとコンビニ店内を行き来でき、コンビニ店内で買った飲み物や食べ物を自由に部屋に持ち込める。
 続いてこの7月下旬、東京・豊島区にオープンしたのが定食レストランとの一体型店舗「ファミリーマート+まいどおおきに食堂東池袋四丁目店」だ。セルフサービスの定食チェーン、まいどおおきに食堂を展開するフジオフードシステムとの提携店舗で、店内にはオープンキッチンとイートインコーナーがあり、1日22時間、モーニングセットやパスタなど軽食、生姜焼き定食などの定食を食べられる。テークアウトも可能だ。
 もちろん店内には通常の商品も並べられ、店内で夕食を済ませた後、朝食用の牛乳とパンを買って帰るなどのついで買いもできる。
 ファミリーマートは今後、これら他業種との一体型店舗を順次増やしていく方針だという。
 外食との一体型店舗に力を入れるのはファミリーマートだけではない。サークルKサンクスはこの6月以降、店内に喫茶室「K’s CAFE」を併設する店舗の本格展開を始めた。「K’s CAFE」はイートインコーナーの範ちゅうを超え、ゆったりとくつろげる椅子やテーブルが用意されたまさに本格的な喫茶室で、コーヒーや軽食などが200円から300円の値段で提供される。
 ジャズの流れるカフェバーを併設したコンビニもある。東京・中央区にあるヤマザキショップ上総屋だ。店内にはイートインコーナーが設けられ、夕刻以降は店長がジャズを流す。客はワインを飲んだり軽食を食べたりしながら買い物の合間に一息つく──そんな時間と空間を演出しているのだ。

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