新書『日本の軍歌 国民的音楽の歴史』の刊行にともないはじまった本連載。第1回(「戦前日本ではなぜトンデモ軍歌が溢れていたのか」)では、「爆弾位は手で受けよ」という軍歌を歌う戦前日本と現代日本にある共通性を見ました。第2回では、軍歌という音楽ジャンルは音楽史においていかに位置づけられるかを考察します。

近代音楽史を見渡すことのできる高台が軍歌

 ここ20年ほど、近代日本音楽史の研究が盛んです。唱歌、童謡、帝劇、宝塚、浅草オペラ、ジャズ、流行歌、音楽批評などをテーマに、新刊が相次いでいます。今日のJ-POP、アニソン、現代音楽などにつらなる文化なので、関心をお持ちの方も多いのでしょう。(佐村河内守のゴーストライター騒動も、その末端で起きた事件です。)

 しかし研究が進む一方で、余りにジャンルが細分化されてしまい、一般の人には全体像が見えにくくなっている憾みがあります。唱歌ではどうしても学校が中心になりますし、ジャズでは都市圏が中心になってしまいます。どこかに近代日本音楽史を見渡せる「高台」でもあればいいのですが――。いや、実は「高台」はあるのです。それこそ、音楽史研究がほとんど無視してきた、軍歌というジャンルに他なりません。

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