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2014.07.25

「恋する旅女、世界をゆく」ウユニのハニカミ王子が教える、塩のホテルルナサラダは一泊でもすべし【6人目】

小林 希

「恋する旅女、世界をゆく」ウユニのハニカミ王子が教える、塩のホテルルナサラダは一泊でもすべし【6人目】


ペルーのチチカカ湖からボリビアのウユニ塩湖へ!

ペルーとボリビアの国土両方にまたがるチチカカ湖は、汽船が行き交う湖としては世界で最も標高の高い湖らしい。そこに暮らす人たちは、インディヘナという先住民だ。

彼らは、スペインの征服者から逃れるようにして、湖の上にトトラという草を浮かべ、身を潜める居場所を求めた。それが何十年、何百年と経過して、立派に水に浮かぶ島となった。

そんな浮き島を散策し、過去の歴史に思いを馳せながら、チチカカ湖のペルーからボリビアへと国境越えした。ボリビアは、南米で一番物価が安いという。

ボリビアの首都ラパスに到着し、そこから目指すは、最近南米を旅する日本人に人気ナンバーワンの観光地でないかと思うウユニ塩湖。

ウユニ塩湖といえば、面積1万2000平方kmの巨大な塩原は、高低差がわずか50センチしかなく、雨が降ればあっという間に冠水してしまう。

冠水した水は、巨大な塩原の上を波もたたなくなるほど薄く、広がっていく。だから雨さえ降らなければ、水面はまるで鏡のようになって、天を映し出すそうだ。その光景が見られる12月から1月の雨期が、ベストシーズンらしい。

書籍や雑誌、テレビやネットなんかで、その神秘的なる光景が超話題になって、いや、なりすぎたといえて、だからかどうも「秘境だろうけど、日本人ばかりいる」んじゃないかとイメージしていた。

で、実際? オーイエス! 日本人だらけだった!

ラパスから「魔の夜行バス」と呼ばれるバスに乗っておよそ9時間でウユニに着く。道中、後半もすぎれば道は非鋪装の悪路となって、バスは縦揺れ横揺れの激しい振動を乗客に与える。常に大地震が起きているような、そんなバスの中。

朝ウユニに着くと、乗客は皆、げっそりとなりながら各々宿へと散る。すでに日本人がちらほらといる。いや、けっこういる?

ウユニは標高3660メートルにあるため、ここでも高山病の心配があるし、なにより寒い。

街から塩湖(塩原)へは、ジープで1時間から1時間半と天候によって差ができる。もちろん凸凹とした悪路だし、雨が降れば道はすぐに冠水するし、到底個人で行くことはできない。なにより、あまりに巨大な塩原で、どこをどう走っていいのか分からない。一般車、なおかつ自分たちだけでは到底走れない塩原が広がる、ということだ。

なので、ウユニの街にはいくつかジープツアーを遂行するエージェントがある。その中でも、ホダカというエージェントは日本人のたまり場。入り口に張り紙を出して(出してあって)、ジープに乗って塩湖へ繰り出すメンバーを募る。

私も、張り紙に名前を書いて、めでたくツアーのメンバーとなった。ツアーというのは、日中から日の入りまでウユニ塩湖をジープで走り、夕陽を見て帰るというもの。

ツアーの内容は、夜に出て星空と朝日をみて帰るツアーもあるし、とにかく鏡張りをめぐるツアーもあるし、ウユニの名所をまわるツアーもある。

全てに参加したいがため、何度もツアーにでる人も多い。

ウユニ塩湖へ到着! 荒涼とした大地に街がある
真っ白な塩原へ。雪原のような塩の大地を掘ってみた

名ドライバーが伝授する、ウユニ塩湖での遊び方

出発の時。
またしても……「ここって日本だっけ??」と言いたくなるほど、ジープに乗る全員が日本人だった。各々自己紹介すると、すでに何泊もウユニに滞在して、「最高の日」を待っている長期旅行者や、会社の休みを利用して一泊だけ決めうちで来ている社会人や、仕事の休みをあわせて二人で来ているご夫婦などいる。
みな、ウユニ塩湖に対する想いは熱い。

「なんとしても、トリックアートするのだ」
「一日しかない。晴れろ! 神様!」
「いやいや、最高に綺麗な鏡張り日和を待っているんだぜ!!」

そんな会話に、ホダカのスタッフのスペイン語しか話せないはずのおばちゃんが言うでないの。

「ニホンジン! カガミバリ! オーーーール ジャパニーズ カガミバリ スキネ!!」

はい、塩湖の水面が鏡張りのようになって、天が水面にそっくり綺麗に映し出される光景こそ、日本人が好むもの。それを、現地の人たちは、よ〜くわかっている。ちなみに、他の国の人達が好む景色は、単なる真っ白に広がる巨大な塩原らしい。雪原かと見紛うような白い世界を見たいらしい。

それから日本人に、次に?人気があるのが、トリックアート。真っ白な塩原に立って、小道具を駆使して、遠近法でもって面白い写真が撮れるという遊び。もちろん、やってみるつもりだ。

さあ、いざ向かおう! 
我々日本人7名を乗せたジープはウユニ塩湖へ向かった。
ドライバーは、おそらく相当日本人相手に慣れている模様。ここぞ、という場所まで車を走らせると、
「ここで降りてごらん」と言った。

360度に広がる塩原に降り立ち、真っ白な世界に目が眩んだ。曇りがちな空だけど、時折太陽が雲間から顔をだすと、一気に気温も高くなり、半袖でいられるほどになった。

果てしなく続く塩の大地を走って、思い切りジャンプしてみたり、単に寝転がってみたり、塩を掘って結晶をみたり、舐めてみたりして、その空間を楽しんだ。

それから、各自持参のりんごやお菓子のパッケージを使ってトリックアートが始まる。
ところがなかなか撮影が難しいことがわかると、横にいたドライバーが、
「カメラを貸して! 俺が撮る! こうやったら上手く撮れるんだ」
といって、撮影担当になってくれた。
そうしてできあがった写真を見て、全員が叫んだ。
「す、すごい! うまくできている!!」

写真は、塩原に座った私が両手を広げている。その両手に、それぞれ3人ずつが小人のように乗っているという図。
それを見て誰かが言った。
「あ、この人、名ドライバーだよ。たしか、写真撮るのがうまかったり、鏡張りの場所を絶対に見つけてくれるドライバーがいるって聞いたことある」
なんとも、我々は運良く名ドライバーにあたった(後に聞いたが、指名もできるらしい)。

我々の満足感が伝わったのか、ドライバーは、
「よし、次は鏡張りの見られるところに連れていく!」
と言った。

ジープは塩原を疾走する。
遠くにも別のツアーのジープが走っている。すでに雲行きが怪しいせいか、綺麗にはっきりとではないけれど、水面下にはジープが鏡のように映ってみえる。

ドライバーが道なき道を進み、止まった。
鏡状態になっている場所だった。さすが、名ドライバー! よく見つけてくれました!

ジープを降りて鳥肌がたった。
足下に広がるのは、雲の世界。足下に天空が広がる。そして見上げると同じく天空が広がる。まるで背中に羽が生えて、空まで飛んできてしまい、幻想的な雲の世界を散歩しているよう。もしも、天国があるのなら、こんな感じなのかとさえ思った。
ウユニ塩湖が、「天空の鏡」とも呼ばれる理由がわかる。

けれど自然界は、そうやすやすと美しい世界を見せ続けてはくれないらしい。天地ともに次第にグレイの濃い色の雲が現れて、気づけば水面下は雨粒による大きなな輪っかが、辺り一面に途切れることなく広がった。すると、幻想的な鏡張りの世界はそこで終了する。

360度の遠方は、あっちから、こっちからと、稲妻がみえはじめた。
雨期ということは、雨の降る季節。当然ほとんどの時間は雨が降っていて、奇跡的に晴れてくれなければ、完璧なる鏡張り状の水面となって、天空が水面にそのまま綺麗に映し出される光景を見ることはできない。
それこそ、奇跡的に天気のよい新月の夜には、星空が水面に映し出されて、視界は天も地も星が瞬くという世界に身を置くことができるらしい。

しかし……雨が降って来た。無念。
とりあえず全員で雨宿りをして、移り変わりやすいウユニの天気に期待をしながら雨が上がるのを待つ。それでも、雨は止まないどころか雷雨となったので、街に戻ることにする。

そのときに、夕陽や星空が見られない代わりか、ある出逢いがあった。
雨宿りをしていた建物の外にいた、フリオという軍隊で働いているという男の子。彼はビールを片手にハニカミながら、

「ウユニは最高に美しいけど、やっぱりこの時期は常に雨だよ。夕陽や星空が見たいなら、何泊もしなきゃだめだ。そうだ、だったら塩のホテルへ行ったらどうだい。なにもかもが塩で作られているよ!」という。

そのホテルの名前は、「ルナサラダ」。まあ〜なんですって、月のサラダ? なんだか可愛らしい。

その名前だけでも俄然行く気がして、泊まってみることにした。

同じジープに乗り合わせたメンバーでトリックアート。でも難しい……
名ドライバーによる完璧なるトリックアート写真
ちなみに別日だが、こんなトリックアートもやってみた
遠くを並走するジープ。水面にジープが映る
曇りがちだけど、鏡張りにきた!
天空にいるかのような空間でポージング
皆で一緒に撮影
皆の撮影風景も絵になる

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