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2014.07.11

世界一高い日本のケータイ料金
「SIMロック解除」で半額になる!?

渋谷 和宏

世界一高い日本のケータイ料金<br />「SIMロック解除」で半額になる!?

「ようやく、やるのか」ニュースに接した時の率直な感想だ。
 いま使っている携帯電話機を、そのままどの携帯電話会社でも使えるようにする「SIM(シム)ロック解除」──総務省は6月30日に発表した中間報告で、これを携帯電話会社に義務付けると発表した。
 2015年度の実施を目指し、解除を拒めば電気通信事業法に基づく業務改善命令を下す罰則規定も設けるという。
 周知の通り携帯電話は、電話番号を記録したSIMカード──1センチ四方の小さなICカードを差し込んで初めて通信網につながり、通話したりメールを送ったりできるようになる。
 日本の携帯電話会社は、いまの携帯電話機を別の携帯電話会社では使えないように携帯電話機に制限をかけている。別の携帯電話会社に乗り換え、そこで提供された新しいSIMカードをいまの携帯電話機に差し込むと、通話もメールの送受信もできなくなってしまうのだ。
 これを「SIMロック」と言う。SIMカードに鍵(ロック)をかけているという意味だ。
 このため僕たちがNTTドコモからソフトバンクへ、あるいはソフトバンクからKDDI(au)へと携帯電話会社を乗り換える時には、携帯電話機を新たに買って、乗り換えた先のSIMカードを挿入しなければならず、出費がかさんでしまう。手元に残った古い携帯電話機は多機能のスマートホンでも使い道がなくなる。
 この端末への制限──SIMカードの鍵を外し、同じ携帯電話機を別の携帯電話会社でもそのまま利用できるようにするのが「SIMロック解除」だ。
 これによって利用者が携帯電話会社を乗り換えやすくして、携帯電話会社同士の競争をうながし、料金の引き下げやサービスの多様化に結び付けるのが総務省の狙いである。そうなれば消費者に利益をもたらすだけでなく、何よりも通信費という企業活動に欠かせない基礎コストを削減でき、国際競争力の強化につなげられるからだ。
 ケータイの料金が下がるのは大歓迎だし、サービスがさらに充実するのももちろん嬉しい。問題はそうなるのかどうかだ。果たして総務省の目論見通りにいくのだろうか。

 ケータイ電話の料金について、皆さんはどう感じていらっしゃるだろうか。
 僕はやはり高いと思う。僕はいまドコモのスマホを使い、パケット定額プラン(4700円)に加入している。月額料金は、2000円前後の通話料や独自のネット接続サービスであるSPモードの使用料などが加算され、5月請求分が7211円、6月請求分が7661円だった。
 またこの4月、会社での仕事に必要だったソフトバンクとの契約を独立に際して打ち切り(機種はiPhone4)、約1万1000円の違約金を支払わされた。携帯電話会社としては、初めに携帯電話機を割り引いて売り、その割引分を月々の通話料金に上乗せして回収する料金システムを取っている以上、途中解約者から違約金を徴収しなければコスト割れになってしまう。それは分かっていても、釈然としない思いはどうしても否めなかった。

 では実際のところ、日本のケータイ料金は海外と比較して高いのか、それとも安いのか。
 総務省による「通信サービス価格調査」を見てみよう。この調査は、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ストックホルム、ソウルの7都市でのスマホの利用料金について、それぞれの都市で最もシェアの高い携帯電話会社の料金体系をもとに、通話時間やメールの本数などの条件をそろえて調べたものだ。
 結果は「音声通話が月57分、メールの送受信が430通(うち205通を発信)、データ利用量が500メガバイト」の、どちらかと言えば利用頻度の少ないユーザーについては、東京が月額7564円と7都市の中で最も高い。
 2位はニューヨークで6834円、続いてパリとデュッセルドルフが6012円と同額で4位、7都市中最も安いのはソウルで2531円だった。
 さらに「音声通話が月57分、メールの送受信が430通(うち205通を発信)、データ利用量が1.6ギガバイト」の一般的な利用者についても、東京は月額7564円と、デュッセルドルフの8422円、ニューヨークの7886円に次いで3番目に高い。最も安いのはやはりソウルで3595円だった(調査はいずれも2012年末)。
 携帯電話会社の料金体系は複雑で多岐にわたり、プランや利用頻度によって金額が変わるので一律に比較するのはなかなか難しいと言われるが、この調査を見る限り日本のケータイ料金はやはり高い。
 とりわけ利用料に応じて料金が増減する従量制の多い海外とは違い、日本ではいくら使っても料金が変わらない定額制が中心なので、利用頻度が少ない人にはより割高になってしまう。ソウルに比較すると東京は3倍の値段だ。

 ごく最近まで日本はデフレだと言われてきた。実際、家電製品や衣料品、外食チェーンのメニューなどの値段は右肩下がりを続けてきた。
 それなのにケータイ料金はなぜ高いのか。
 人件費や通信設備を設置するための土地の賃貸料がかさむのはもちろんあるが、それらのコストはソウルを除く他の5都市と実はそれほどの違いはない。
 今回、総務省が問題にしたSIMロックが大きな原因の一つであることは間違いない。

 SIMロックは、利用者にとってはそう簡単には携帯電話会社を乗り換えられないハードルの役割を果たしている。乗り換えるには新たに携帯電話機を買わなければならないし、2年ごとの契約期間が満了する前の解約だと違約金の支払いも発生するからだ。
 これは携帯電話会社からすれば加入者の奪い合いに一定の歯止めをかけているのに等しい。SIMロックによって加入者を事実上、囲い込んでいるのだ。
 これでは携帯電話会社同士の競争はゆるくならざるを得ず、価格低下やサービスの向上・多様化が進まない。これが料金を高止まりさせているのである。

 

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