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2014.07.03

無料試し読み『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』

本物の執事がこっそり教える
~大富豪の秘密の習慣~
secret 3.いつも見切り発車をなさいます

新井 直之

本物の執事がこっそり教える<br />~大富豪の秘密の習慣~<br />secret 3.いつも見切り発車をなさいます

 

みなさま、初めまして。執事の新井直之と申します。世界の大富豪の方々にお仕えし、日常生活から冠婚葬祭、旅行、留学の同行、プライベートな催しまで、ご主人様に成り代わり、あるいは補佐役として、あらゆる事柄に対してご要望にお応えするのがわたくしの役割です。
しかし、日々彼らにお仕えする中で気づいたことがあります。実は、大富豪独自の、成功を引き寄せる秘密の習慣があったのです。
彼らを間近で見てきたわたくしが、みなさまにその秘密をちょっぴりお教えいたします。

<いつも見切り発車をなさいます>
 大富豪は、ふだんから環境変化に備え、「これはビジネスになる!」とひとたび決断したら、電光石火のスピードで行動に移ります。周囲の状況を見つつ、ゆるゆるはじめるということはありません。
 事業プランを立てるにしても形ばかりのもので、たいてい見切り発車です。大富豪のモットーは「思い立ったら即実行」ですから、走りながら考えるタイプが圧倒的に多いように思います。そのスピード感こそがビジネスの生命線なのでしょう。
 とはいえ、計画性がまるでないわけではありません。「一〇年後は、これぐらい会社を大きくしたい」という長期ビジョンは皆さんお持ちです。
しかしこれだけ環境変化が激しい時代は、どれだけ綿密なプランもその通りに進まないこともよく理解されているのです。だから、プランに時間をかけるより、素早く行動するほうを選ぶのです。まずは着手してみて、感触を確かめながら修正していくのです。
 ある海外の大富豪の方が「日本で不動産投資をやりたい」と言い出されたことがあります。通常なら物件調査や資金計画に数カ月かけるところですが、その大富豪の方は何の準備もなく、いきなり国内各地の物件を買いはじめました。それもたいへんな勢いでどんどん買っていくのです。
 まるで暴走のようですが、そうやって物件を次々と買いながら、日本で不動産投資を成功させるツボを探っているのです。失敗しても「こういう投資のやり方は、日本では通用しないのか」と納得しています。損失が膨らんでいくと、ついに自力ではうまくいかないと判断したのか、私どもに「不動産投資の専門家を探してほしい」と依頼されました。
 専門家をご紹介すると、まず自分の失敗理由を分析してもらい、今後の方針についてアドバイスを受けました。何度かそれを繰り返していくうちに、大きな損失は出なくなり、安定的に収益をあげるようになりました。

 

 調査や計画に時間をかけない見切り発車、走りながらの試行錯誤。それはいかにも大富豪らしい新規ビジネスの進め方でした。
彼らは「初めから完璧な計画など立てられない」と考えています。先にたくさん失敗したほうが、その経験を活かして、いい方針といい計画が立てられると考えます。資金力があるから、失敗が怖くないのです。
 これが組織人なら、自分の失敗によって会社に多大の損失を与えるわけにはいきません。失敗したとたんに上司や同僚から責められるでしょう。そのときに「これだけ準備しました」と言い訳するためにも、綿密な計画を立てておく必要があるのです。しかし、説得力のある完璧な計画をめざせば、時間も資金もそこに費やしてしまい、ビジネスの成功を取り逃してしまうのです。

 大富豪の場合は、たとえ失敗しても自分のお金を失うだけですから、誰かに言い訳する必要もありません。試行錯誤しながら、成功するまでチャレンジを続ければいいのです。
 ものづくりやソフト開発の世界に「プロトタイプ思考」という考え方があります。プロトタイプとは「試作品」のことです。これは、初めに理論を学び、充分に研究してから製作に着手するのでなく、まずは実際に製作をはじめて試行錯誤を通してレベルを高めていくというアプローチです。
何かスポーツをはじめるときに、初めに理論をみっちり学ぶより、まず実際に体感したほうが、身体の動きが自然と理解できて上達が早いのに似ています。
 大富豪のビジネスは、まさにこのプロトタイプ思考です。環境変化が激しい時代に、ビジネスの正攻法などありません。
正攻法を探す時間があれば、見切り発車でスタートし、試行錯誤しながら自分で方法を探るほうが成功への近道なのです。一見、乱暴のようですが、スピード時代には成功の確率を高める方法かもしれません。
 スマートフォンのOSでもネット上のサービスでも、最近はユーザーに素早く提供することが重要で、多少の不具合には目をつむり、次のバージョンで修正するという方法が取られます。製品の完成度は、クレームなどを参考に高めていけばいいという発想です。
 大富豪のビジネスもこれと同じで、初めはレベルが低くても早い着手を重視します。そして、実戦を通して少しずつレベルアップしていけばいいと考えるのです。

 

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