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2014.07.11

第1回

『神聖喜劇 第一巻』解題 無料試し読み
中条省平著 三つの迷宮

『神聖喜劇 第一巻』解題 無料試し読み<br />中条省平著 三つの迷宮

“プレミア本”電子化プロジェクトとは、幻の名作から、根強い人気のロングセラー・知る人ぞ知る希少本まで、書店店頭の目立つ場所にはないけれど、読み継がれるべき作品を探して、電子書籍として新たに出版するプロジェクトです。

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記念すべき連載第1回で紹介するのは、大西巨人さんによる“日本文学の金字塔”を完全漫画化した漫画作品『神聖喜劇』。その第一巻に収録されている中条省平さんの解題を公開します。中条さんは、幻冬舎plusでマンガだけでも、いいかもしれない。」も連載中です。

 

三つの迷宮   中条省平

 大西巨人の小説『神聖喜劇』は、日本の戦後文学を代表する傑作のひとつです。

 それも、大岡昇平の『野火』や、三島由紀夫の『金閣寺』や、安部公房の『砂の女』といった文学史上の地位の安定した名作とはちがって、ふつうの小説の基準を土足で踏みにじるような、どこか空恐ろしいものを感じさせる傑作なのです。

 内容は、ひとりの兵隊のわずか三か月の軍隊生活を描くものですが、執筆開始から完成までになんと二十五年間もかかり、その長さたるや、四百字詰め原稿用紙にして四千七百枚! 作品のコンセプトの徹底性と、文学的意志の異様な持続と、小説そのものの長さにおいて、『神聖喜劇』は一個の文学的怪物だというほかありません。

 日本の戦後文学でいうならば、これに匹敵しうる怪物性をそなえた小説としては、かろうじて埴谷雄高の『死霊』と沼正三の『家畜人間ヤプー』を挙げることができるだけでしょう。

 けれども、『神聖喜劇』を通読することは簡単なわざではありません。たんに長いからというのではありません。ものすごく長い小説を読むだけならば、吉川英治や司馬遼太郎の例を考えれば分かるとおり、別に難しいことではありません。しかし、『神聖喜劇』は、ある意味でプルーストの『失われた時を求めて』を思わせる<迷宮>のような作品なのです。しかも、この迷宮は、プルーストよりもさらに複雑にいり組んだ構造をもっています。

 

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