何気なく読み飛ばしてしまいそうなニュースに私たちの生活や仕事を一変させかねない衝撃力が秘められていた──長年、ジャーナリストの仕事をしているとそんな報道に接することがたまにある。
 この5月下旬、農林水産省が業務用の冷凍バターを過去最大の7000トン緊急輸入すると発表したニュースはまさにその代表である。
 なぜバター緊急輸入のニュースが衝撃なのか。私たちの食生活を支える土台がついに揺らぎ出した事実をくっきりと浮き彫りにしたからだ。
 バターや牛乳などの乳製品は栄養価が高いだけでなく多くの料理に使われるため「基礎食品」と呼ばれる。ところが日本ではその大事な「基礎食品」の生産者である酪農農家が後継者不足や経営難から次々に姿を消し、乳製品の生産量が年々減っていた。そして、ついに今年、国内の需要をカバーできなくなってしまったのである。
 緊急輸入は不足分を埋めるための非常手段にほかならない。「バターがなくなる」「食べられなくなる」という非常ベルがとうとう鳴り出した──私たちはそう認識すべきなのだ。

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