1. Home
  2. 読書
  3. 捨てがたき人々
  4. 大森南朋×三輪ひとみ「ハードで、追い詰め...

捨てがたき人々

2014.06.02 公開 ツイート

映画「捨てがたき人々」完成記念対談

大森南朋×三輪ひとみ「ハードで、追い詰められて、引きずって……衝撃だった撮影の日々」 大森南朋×三輪ひとみ


——お互いの第一印象

大森:そうそう、妹さんとは昔からの知り合いでして。
三輪:「あっ南朋ちゃんと一緒にやるの? じゃあ、大丈夫だよ、全部任せときな」って。
大森:そんなこと言ってたんですか。
大森:どうだったんだろう~。僕は、「あっ三輪さんだ」っていう(笑)。

三輪:私は、大森さんの話だけはいろんなところから聞いていて。妹からも聞いていたんで、最初から安心感はありましたね。

三輪:だから、現場ではすべて大森さんにお任せしました。
大森:いやいや~ (笑)。
 
 

——印象に残っているシーンは?

三輪:砂浜を走っているシーン、なくなったんですよね。砂浜を端から端まですごい全力疾走して大変だったのに……。
大森:ただやりたかったんです、監督が。もうね、そういうお蔵入りカットが今回、山ほどあるので。それだけ編集のときに悩んだと思うんですけど。だから、エンディングロールに名前があるけど、映画に映ってないって人がいっぱいいるんです。わざわざ東京から五島まできたのに、全部カット。
三輪:ご飯食べて帰ったみたいな(笑)。
大森:あの日一日いらなかったじゃないかという(笑)。
三輪:本当に(笑)。

大森:実際に現場で監督に言ってたんです。「これ、使わないでしょ?」って。そしたら、「使わないかもしれないけど、一応撮りたいんだよね」って。「それ、監督の遊びにつきあうだけじゃん」と。で、案の定使われなかったという(笑)。印象に残ってるシーン、使われてないところばっかり話してますけど(笑)。
三輪:あっ私、あります。田口トモロヲさん(丸吉社長)のところに勇介を面接に連れていくところでの一本締めのお祈り。突然やられたんですよ。宗教っぽい感じにするために、いきなりアドリブでやられて。あれは印象的でしたね。一本締めなんだ~って斬新すぎて、笑っちゃって。そのあとにそれを私がつなげるんだって(笑)。
大森:それは大変でしたね。でも、セリフに関しては監督から細かい指示があったので、アドリブというアドリブは今回はほとんどなくて。だから、余計にインパクトは大きかったです。あと、個人的には母子手帳を京子が読んでいるところは印象的でしたね。
三輪:あのとき初めて母子手帳を読んだんですけど、あんなにもいいことが実際に書いてあるんだって。衝撃的でしたね。
 

関連書籍

ジョージ秋山『捨てがたき人々 完結上下巻セット【電子版限定】』

男女の業を鋭く抉り、映画化もされた傑作マンガ『捨てがたき人々』上下巻が電子版限定で、合本になって登場!
※本書は、『捨てがたき人々(上)』『捨てがたき人々(下)』を1冊にまとめた電子書籍限定の合本版です。

■『捨てがたき人々(上)』
「なんだか生きてんの飽きちゃったなあ」。職を失い、生まれ故郷に帰ってきた狸穴勇介。不細工で、金も仕事も夢もなく、考えるのはセックスのことばかり。心の荒野を彷徨っていたある時、勇介は微笑みの宗教「神我の湖」に傾倒する京子と出逢い、執拗なストーキングの末にレイプする。二人は互いに嫌悪し合いながらも離れることができずに姦通を繰り返すようになるが……。

■『捨てがたき人々(下)』
周囲の猛烈な反対を押し切って、妊娠を機に夫婦になった勇介と京子。しかし息子が誕生しても、勇介の心は孤立したまま彷徨い続ける。叔母との情事、生き別れの母との再会と、その母の夫殺しの過去。息子との断絶、爆発する暴力衝動……そんな時、勇介の前に一人の女が現れる。彼は安息の時を得られるのか? 愛を信じられない男と愛を信じる女――人間の業を抉る超問題作、ここに完結!

→ジョージ秋山先生のその他の作品を見る
※「立ち読み」ボタンからも中身の一部が閲覧できます

{ この記事をシェアする }

捨てがたき人々

バックナンバー

大森南朋×三輪ひとみ

<大森南朋>
1972年、東京都出身。市川準演出のCM出演をきっかけに、本格的に俳優活動を開始する。廣木隆一監督『ヴァイブレータ』(2003)でヨコハマ映画祭の助演男優賞を受賞。同作のほか、『赤目四十八瀧心中未遂』(2003)、『アイデン&ティティ』(2003)の演技と合わせ、キネマ旬報日本映画助演男優賞に輝いた。テレビドラマ「ハゲタカ」(2007)で主演を務め、エランドール新人賞を受賞するなど高い評価を得る。

<三輪ひとみ>
1978年12月18日神奈川県生まれ。女優デビュー作となった映画「D坂の殺人事件」(97)では小林少年役を演じる。以降、TVドラマ「ねらわれた学園」などに出演。99年「発狂する唇」に主演したのを皮切りに、「呪怨」(99)や「生霊 IKISUDAMA」(01)といったホラー映画で活躍するほか、特撮ドラマでもバイプレイヤーとして存在感を発揮する。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP