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2014.04.23

第4回

100周年スペシャル企画 雪組 壮 一帆さんインタビュー

宝塚歌劇団

100周年スペシャル企画 雪組 壮 一帆さんインタビュー<br />

「観た者は必ずハマる」という鉄板の法則がある宝塚歌劇団。芸能界はもちろん、ビューティ業界でもコアなファンが後を絶たない。そんな宝塚を支える5人のトップスターの魅力を、特別連載として5回にわたりお届けします!

 

あまりに急な出来事でファンたちも驚いた雪組トップスターの壮一帆さんの退団発表。でも、インタビュー時の壮さんの表情は軽やかで、とても清々しい印象だった。
ひとつの選択を下すまでの心の機微や宝塚一熱いと称される壮さんならではの想いを存分に語っていただいた!

 “宝塚一熱い”とか「男気」あふれ竹を割ったような性格が“武士のよう”と称されることも多い雪組トップスターの壮一帆さん。そんな真っ直ぐで懸命な壮さんの生き様は、下級生からは慕われ、上級生からの信頼も厚い。トップスターの魅力も組の雰囲気やその人自身が持つキャラクターによって持ち味が生まれるというが、壮さんは、まさに頼れる兄でもあり、姉でもある、そんな雰囲気を持っている人だ。

 

Kazuho So
PROFILE 8月7日生まれ。兵庫県出身。1994年宝塚音楽学校入学。受験者が多く、最も狭き門といわれた82期生。その後、1996年『CAN-CAN』で初舞台を踏み、同じ年に花組に配属される。2001年に雪組に組替え。2006年花組に組み替え。2012年12月に雪組に組替えし、雪組トップスターに。2014年8月の公演を最後に退団予定。



Road to TOP STAR
Kazuho So

1994年 宝塚音楽学校入学。82期生。
1996年 宝塚歌劇団に入団。『CAN-CAN』で初舞台。
その後、花組に配属される。
2000年 『源氏物語 あさきゆめみし』新人公演で初の大役である頭の中将を演じる。
2001年 雪組に組替え。『愛 燃える』で新人公演初主演を果たす。
2002年 バウホール公演『ホップ スコッチ』で主人公の一人を演じる。
2006年 全国ツアー『ベルサイユのばら−オスカル編−』でアンドレを演じる。同年、古巣の 花組に組替え。
2007年 自身初のディナーショー『So! −Fantastic Radio Station−』を開催。
2012年 雪組に組替え、雪組トップスターに就任。
2013年4月 『ベルサイユのばら−フェルゼン編』で宝塚大劇場お披露目を果たす。
2014年『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』の東京宝塚劇場公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団予定。

 

入学当時はバレエの基礎用語すらまったくわからなかった

 でも、そんな壮さんが生まれたのは、自分自身の過去の経験が大きな糧になったからであるという。
「宝塚音楽学校入学当時は、クラシックバレエもやったことがない状態でした。グランプリエでシャッセ?? 用語もわからない状態で(笑)。休みの日も別のスクールでレッスンしないとついていけなくて。入学した年の6月に授業参観があったのですが、そのとき、クラシックバレエの授業で、私はクルクル回っていたら目が回って保護者席に突っ込んで皆さん苦笑。親は真っ赤な顔をしていました(笑)。
 そんな状態でしたから、もうついていくのに必死。まさにゼロからのスタートでした。
 そんなゼロ地点から“どうしてトップになれたんですか?”と聞かれることがよくあります。皆さん知りたい部分なのだと思います。でも、トップになるには、努力はもちろん大事ですが、運もあるだろうし、誰がトップになるかなんて、正直誰にもわかりません。がんばっていても残念ながら失速することもあるし。人生どのタイミングでチャンスがくるかなんて、わからない。それを生かせるかどうかは、いろんな偶然が重なって決まるものなのだと思うんです」
 実は壮さん、自分の進退について深く悩み考えていた時期があった。それはちょうど雪組のトップスターになる前のころだったという。
「自分がいい状態で舞台に立ち続けたいと思うと同時に、その状態を保てるのはいつまでなのか、と自分の進退について考えた時期がありました。それが今なのか、もっと先なのか。これは悩みました。でも、これって舞台に立つ私のような仕事だけでなく、転職をどうしようとか、何か決断しなくちゃいけないときって、人生には意外と多いものだと思うんです」

悩んだら人の意見を聞く、ここから必ず答えは見えてくる

そんな悩んでいる壮さんにご両親は「あなたが信頼できると思った人たちの話を聞きなさい」とアドバイスをしたという。
「ひとりで悶々と考えるよりも人に話していろんな意見を聞くことが大事だと教えてくれました。同期だったり、同世代の宝塚以外の友達や宝塚のOGの先輩方など、とにかくいろんな人たちに、会って話を聞きました。もちろん、その答えはひとつじゃなくて、結局は決めるのは自分自身なのですが、でも、いろんな意見をもらえたことがとても大事だったと思うんです。また、私自身もいろんな人に話すことで自分の思いが定まって答えが出しやすくなった部分もありました。あのときいろんな人と話せたことが、これからの人生のためにも、とても有意義な経験でした。私自身も今は相談を受ける側になったり、頼りがいがあると言っていただくこともあるけれど、それは自分自身がいろんな人の言葉や支えをもらってとてもいい選択ができたから。人と人とのつながりが悩みから救ってくれることも多い。この想いは自分もきちんと受け継いで紡いでいきたいと思っています」
 まさにこのときの経験は、先日の退団会見で話していた「雪組に組替えというお話をいただいたときに、三作の本公演に自分の持てる力をすべて発揮して卒業しよう、と具体的に決めました」という話に結びつくのかもしれない。

センターで両手を広げたとき劇場全体を抱きしめる感覚に

トップ就任とともに、退団を意識していたというと、一見悲しく感じてしまうが、壮さんにとってより楽しむためにもその決断は大事な選択だった。
「トップは長時間舞台に出ているので、終わるとかなり体力を消耗しているのですが、楽しんだもんがち。手を抜くのではなく、大変ならその大変さを楽しんでみようと。一種のランナーズハイみたいな感覚なのかもしれません。でも、仕事に対して、常に“充実感”があると言い切れる自分は本当に幸せだと思います。世の中には、結果が具体的に出ない仕事も多いと思うんです。でも、私の場合、お客様からの拍手にやりがいを感じたり、緞帳が降りたあと、最高の充実感を得ることができる。そんな毎日なのだからこそ、自分が受け取ったいいエネルギーを外に向けて出していこうと思っています」
 また最近、壮さんは舞台中央に立つとき、こんな想いを巡らせる。
「舞台中央で両手を広げるポーズがあるのですが、そのとき“劇場全体を包み込んでいる”と感じることが最近多くなってきています。ライトも目の前に見えるお客様の顔も後ろにいる組のメンバーの熱もこの手の中に全部あるんだ!! という感覚。そして、そのたびに“この手の中にあるものを自分はすべて出し切れているか?”と自分の心に問いかけをします。演じる側が出し切れてないと思ったら、お客様に失礼ですし、自分にとっても負け。こんなこというとまた武士みたいといわれちゃいますか(笑)。でも、最後まで私なりの武士道を貫きたいですね」

 


この手の中にあるものをすべて出し切っているか
常に自分に問いかけています

 

壮一帆さんに教わる トップスターの美学

下級生に慕われ、上級生からも頼られる壮さん。相談を受けることも非常に多いといいます。インタビューに入りきらなかったお話+GINGER読者にありがちな悩みにもスパッと、武士のような凛々しさで答えていただきました!

Q 壮さんが理想とする女性像、生き方はありますか?
宝塚音楽学校に入ったとき、もうプロみたいにできる人もいれば、私のようなゼロ地点の人もいた。それまで共学の内部進学の学校に通っていたので、同じ友達とばかり接してきたけれど、世の中いろんな人がいる面白さをそのとき知りました。それから人と接するのが好きに。同世代だけでなく。おばあちゃんと話すのも面白い。世代を超え、いろんな話をいろんな人とできる人間でいたい。人と接するのが私の最大の刺激になるので。

Q 壮さんは友達を作るのが上手と伺いました。どうすればそうなれる?
人との出会いはどんなときにでもあります。公演中で忙しいときは、人と出会う時間も友達と話す時間も作れない場合がほとんど。でも、例えば、こうやってインタビューのお仕事でスタッフの方と話すのもひとつの出会い。そこで私の知らない異業種の話や考え方を聞くのはとっても勉強になりますし、面白いです。友達を作ろうと身構えずに、もっとフレキシブルにアンテナを張っていると、いい人間関係がもっと築けるようになるのかも。

Q 退団までに極めたいこと、ここにはこだわりたいということはありますか?
もっと男役を追求したい。男役って本当に終わりがないもの。先日、同期の蘭寿とむのディナーショーを観に行ったときに、彼女の退団発表後だったのですが、蘭寿は自分のなかの男役を極めたんだなと、観ていてしみじみ感じたんですね。そして、「今自分はどうなんだろう?」と心に改めて問いかけてみたんです。そこは追求してみたいですね。答えは退団までには出ないかもしれませんが、いずれ答えが出るように今きちんと向き合いたいですね。

Q どうしても悩みがちで自分でいろんな選択ができないときは?
お話ししましたが、いろんな人の話を聞くことは大事です。さらに、私がそれと同時に始めたのが、人の話で印象に残ったこと、自分のなかで整理しきれない想いややりたいこと、とにかくパッと心や頭に浮かんだことをノートに書き記すんです。日記になってしまうと義務化されてしまうので、面倒臭くなりがちですが、気になるときに開けばいいという感覚だとしんどくありません。書いているうちに不思議と頭が整理できて、いいですよ。

Q 職場の後輩を上手に指導できません。叱ると嫌われそうで……
問題があることや指導しなくてはいけないことがあるのに、中途半端に接すると逆効果な気がします。はっきり言ってあげたほうがその人のためだと思います。言うと嫌われるかもといい顔をするのは、結局信頼度が落ちる気がします。一番大事なのは、自分が率先して動いて後輩に見せてあげることじゃないかと。はっきり言ったことで気まずくなっても、後輩もいずれは必ず大事なことを言ってくれた事実に気付くと思います。

Q 30才なのに、まだ自分の方向性が定まらないのってまずいですか?
私自身は、将来自分の人生を振り返ったときに、後悔しない生き方をしたいと思っています。自分の軸をしっかり定めたい、ブレない生き方をしたい。でもだからって、ブレちゃいけないとは思っていません。ブレるのもまた人間。だって人生にとって大事なことじゃなければ悩まないわけで。悩んでいるということは自分にとって大事なときだから。そう思えば悩む時間も次のステップに進むためにはとても大事な時間。大いに悩んでOK!

Q 壮さんにとって宝塚の魅力って何ですか?
私の人生そのものでもあるので、これはひと言では言いきれません。でも、魅力はいっぱいあります! 特に見たことがない方にお伝えしたいのは、「宝塚」という母体があって、そのなかにまた「組」という集合体があります。組によって色も異なり、さらに、上級生から下級生に伝えていくという伝統の絆が。100年ですからね。表現方法ももちろんですが、これは世界で類を見ない、まれなひとつのカルチャーであると思います。誇らしく思う部分ですね。

Q 壮さんオススメの宝塚の観劇の仕方ってありますか?
ほかの演劇だと台本があって、その台本に合わせていろいろな俳優さんをキャスティングしていくわけですが、宝塚の場合、同じ演目を組違いで演じることも多いんです。同じストーリーでも組によって演出や見せ方が違って、そこに組の色が出てくるわけです。同じ役でも組違いのトップが演じるとまた違った印象になるのです。そこを比べてみると、面白いですよ。ひとりのスターを見ると決めるのもいいですが、組の見比べも面白いと思います。

 

 

初心者に捧ぐ!宝塚の魅力 基本の「き」

Q 宝塚の舞台って、スターさんとの距離が近いって本当!?
ステージ前に橋のように渡された銀橋(エプロンステージ)と呼ばれる舞台があります。トップスターを中心にこの銀橋で芝居や踊りを展開することも多いので、通常の舞台よりもステージと客席が近く感じるはず!

Q 音楽は生演奏って本当!?
一部の舞台を除いては、基本オーケストラによる生演奏が行われています。ステージと銀橋の間の少し段が下がった部分にオーケストラボックスがあり、そこから生演奏で音楽を流しているから迫力満点!

Q 5つの組に属していない人がいるってホント?
宝塚には、花組・月組・雪組・星組・宙組の5つの組があり、それ以外に専科という芸達者な役者さんを集めたカテゴリーがあります。どの組にも属さずに、公演の内容に応じて特別出演し、公演を盛り上げます。
 

次回公演情報
宝塚歌劇雪組公演 宝塚傾奇絵巻『一夢庵風流記 前田慶次』 グランド・レビュー『My Dream TAKARAZUKA』 宝塚大劇場 6月6日~7月14日 東京宝塚劇場 8月1日~31日

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