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2008.10.15

雨宮塔子の食事日記17

雨宮 塔子

雨宮塔子の食事日記17

9月14日

 隣のアパルトマンに住む、駐在員の奥さま、実穂さんから摘み立てのズッキーニの花をお裾分けにいただく。今日の午後、ヴェルサイユ宮殿近くの「ガリ農園」(※)で摘んできたというそれは、芯の部分が細い、繊細なものだった。
 このズッキーニの花は、何をかくそう、見つければ条件反射的に買ってしまうもののひとつ。今回いただいたもののように芯が細ければ、小麦粉と冷水を少々振りかけて揚げてしまうし、芯がもっと太いものであれば、フリットっぽく、衣を厚くつけてアツアツをいただく。味付けは、後から振りかける美味しい塩のみ。学生時代に某イタリアンレストランで出合って以来、浮気せずその食べ方に忠実でいた。
 たぶん、私にとってのたらの芽の天ぷらのようなものなのだと思う。春を感じる山菜の天ぷらに目がない私だけれど、いかんせんパリに住んでいるので、旬の山菜の天ぷらにありつける機会はない。でも、この秋口までのズッキーニの花の天ぷらには、食べた時の幸福感に似たものを感じるのだ。
 それでも、いただいたズッキーニの花を手に取り、しげしげと眺めているうちに、この繊細さでは揚げてしまうのはもったいないと思うに至った。限りなく手をかけない方がいい。そう思って、パスタにしてみました。ズッキーニの花のアーリオ・オーリオ。

 これが、大正解。素材そのものの味が一番引き立つ食べ方だったのではないかと自画自賛してます。摘み立てだからか、繊細ながらも大地の恵みを感じさせるような力強い味わい。ズッキーニの花とニンニクと、鷹の爪だけで、どうしてこんなにコクがあるの? といった奥深い一皿でした。

※ガリ農園:ヴェルサイユ宮殿からほど近い場所にある農園。馬や牛、ブタや羊といった動物と触れ合える牧場と、花、野菜、果物が採り放題の農園とに分かれている。ちなみに入場料は無料。持ち帰る分だけ量りで計って、その料金を払う仕組みになっている。

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