毎日を1%ずつ新しく生きる! 刺激と感動のマガジン&ストア

★がついた記事は無料会員限定

2014.03.23

第3回

100周年スペシャル企画 宙組 凰稀かなめさん
インタビュー

宝塚歌劇団

100周年スペシャル企画 宙組 凰稀かなめさん<br />インタビュー<br />

「観た者は必ずハマる」という鉄板の法則がある宝塚歌劇団。芸能界はもちろん、ビューティ業界でもコアなファンが後を絶たない。そんな宝塚を支える5人のトップスターの魅力を、特別連載として5回にわたりお届けします!

長く美しい手足に長身のボディ。恵まれた容姿と心の機微まで表現することに定評がある凰稀かなめさん。実は、長い間自分の不器用さに悩み、苦しんだ日々があったという。

Kaname Ouki
PROFILE 9月4日生まれ。神奈川県川崎市出身。身長173cm。1998年宝塚音楽学校に入学、86期生。2000年花組公演の『源氏物語 あさきゆめみし』で初舞台。
同年雪組に配属。その後、星組→宙組と組み替えを経験し、'12年7月に、宙組の宙組トップスターに就任。長身かつ抜群な容姿と表現力に定評がある。


 

Road to TOP STAR
Kaname Ouki

1998年 宝塚音楽学校に入学。86期生。
2000年 宝塚歌劇団に入団。
花組公演『源氏物語 あさきゆめみし』で初舞台を踏み、その後、雪組に配属。
2002年 TAKARAZUKA SKY STAGE第1期スカイ・フェアリーズを務める。
2005年 『霧のミラノ』で新人公演初主演。
2007年 『エリザベート』で、大役・ルドルフを演じ、話題を集める。世界陸上大阪大会開会式に合わせて結成されたユニット・AQUA5のメンバーにも選抜される。
2009年 4月に、星組へ組替え。
2011年 2月に、宙組へ組替え。
2012年 7月に、宙組トップスターに就任。
お披露目公演は『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』。
 

10代の頃は、タカラジェンヌではなく、他の夢があった

 宝塚のトップスターといえば、みな長身で抜群のスタイルだが、そのなかでもとりわけ手足が長いのが、宙組トップの凰稀かなめさんだ。
「子供のころは、モデルになるのが夢でした。実は中学まで宝塚をまったく知らずに育ちました。たまたま母とテレビを観ていたときに、天海祐希さんの退団公演の紹介があって、その後母と公演を観に行ったのが最初です。そのあと、宝塚を目指したのは、父の知り合いが宝塚音楽学校の受験を強く勧めてくれたんですね。でも、モデルになりたいという別の夢があったので、最後まで自分はどっちの道に進むべきか、正直悩んでいましたね」
 しかし、かなめさんの美しい容姿や資質は宝塚歌劇団にしっかりと見抜かれ、1回で合格。受かるはずはないと思っていた宝塚合格が、かなめさんの心を大きく変えていくことに……!
「受かったあとに、“これは責任重大だ”と実感しました。私が受かったことで、落ちてしまった人もいるということなんですよね。そう考えたら、モデルになりたいという夢も過去の甘えた自分もここで捨てなくてはいけない、このチャンスをしっかり生かさなくては、と自然と思えるようになりました。母からも『宝塚で、女性として、人として、ちゃんと磨いてもらいなさい』と言われて送り出されました」

 自分の笑顔を見るのが怖い時期が続いた日々
そんな確固たる決意で入学した宝塚音楽学校だったが、新しいチャレンジは試練の連続だった。

「受験前、レッスンスクールには通いましたが、幼いころからバレエなどをやっていたわけではないので、一から学ばなければならないことが山積みで。さらに、できないから注意されることも山のようにあるわけです。とにかく不器用なんですね。そのうえ、ひとつ気になることがあると、それがクリアできるまで前に進めない。うさぎと亀だと、亀どころではない大亀(笑)。自分で納得できないと前に進めないから余計時間がかかってしまって、上級生が教えてくれる課題をなんとかクリアする毎日でした」

 できない自分への焦り。周囲はどんどん進んでいくのに、それについていけない自分。人の目に自分はどう映るのだろうと気になったり、できる人をうらやましいと思い、落ち込む時期もあったという。

「そんな風に感じていた時期は、鏡に映る自分の顔が笑っていなくて、ものすごく嫌でした。表面的には普通に笑っているんですが、笑顔の奥が笑っていないというか……。もともと活発なタイプだったのに、表現する場にいて、心が笑っていないなんて、こんなことでいいのか! と、自分に腹が立って仕方ありませんでした。『どうしてだろう?』、『なぜこうなってしまったんだろう?』と自問している時期もありましたね」

 この時期はかなり長く続いたとかなめさんは振り返る。でも、そこから脱するきっかけは意外にもシンプルなものだったという。

「笑えないころの自分は、失敗を恐れて、いいところを周囲に見せることばかり考えていました。でもある日、失敗した私を気持ちよく笑ってくれる先輩や仲間がいることに気付いたんです。あれ? もしかして今まで失敗を恐れすぎていたんじゃないか、ひとつのことにこだわりすぎていたんじゃないかって。慎重になりすぎて進めないよりも、失敗しても100通りチャレンジしたほうが勉強になるんだ、ということをそこで実感したんです。それからは、どんどん笑われてやろう、失敗してそれを力にしていこう、という気持ちに変わりました。でも、この答えには中途半端に悩むだけでは出会えなかったと思うんです。とことん悩んだからこそ、その先に見えてきた答えだと思うんです」

演じることと宝塚への強い思いが悩みから救ってくれた

 つらかった当時の思いをためらわず、正直に話してくれるかなめさん。華やかさやミステリアスさが魅力のトップスターとしてはこういったお話は禁じ手なのでは? と少し心配に……。

「もちろん、ミステリアスな部分を残しておかないと(笑)。仕事や人間関係で挫折感のある人、なんかうまくいかないって悩んでいる人も多いと思うんです。そんな人から見ると私はきっと挫折などなく、華やかに見えると思うんですね。でも、そんな私もみなさんと同じです。
 あきらめようと思ったこともありました。でも、『1%でも宝塚や舞台が好きという気持ちがあったら絶対後悔する』という思いが残っていたから踏ん張れた。悩むってことは、そのことが自分のなかで大事だから悩むんですよね。なくてはならないものだから悩んでしまう。その原点がわかると踏ん張れる。つらいことがあるとそこから逃げてしまおうとする人もいますが、逃げてしまったら何にもならない。逃げたら終わり。『絶対に逃げない』という強さを持つと、いずれその悩みは絶対に解決できると思うんです。
 もしも、つらいなって思うときがあったら、悩んでいる人は他にもいると思い出してください(笑)。
 私自身、人よりも不器用な分、時間がかかってしまうけれど、その分、たくさん考えて、多くを学べ、いろんな思いを感じることができたと思うんです。母が入学時に言ってくれた『宝塚で、女性として、人として、ちゃんと磨いてもらいなさい』という言葉を少しは実践できたのかもしれませんね(笑)」

つらさから逃げ出さずにとことん悩み抜くことで、一筋の光が見えてくる


凰稀かなめさんに教わる トップスターの美学

不器用なまでにまっすぐに生きてきた凰稀かなめさん。だからこそ見えてきた生き方の答えがインタビュー中にもたくさんありました。読者に向けてのアドバイスを求めると、快く明快に応えてくれました。冒頭のインタビューに入りきらなかったかなめさんの大事なメッセージを一問一答でお伝えします!

Q いつも堂々と演じられていますが、緊張することはありますか?

舞台では顔には出しませんが、実はとても緊張するタイプです。今でも出番前は、緊張して手が冷たくなります。昼と夜の2回公演がある日には、2回とも出番前は同じ状態になるんですよ(笑)。でも、不思議なことに緊張したまま舞台に出ても、ライトがパッと当たると、その緊張は自然に解けていきます。ただ、緊張するというのは、舞台を絶対に成功させたいという気持ちの表れでもあるので、忘れてはいけないことだと思っています。
 

Q 仕事で怒られてばかりで、つい落ち込んでしまいます。

私もものすごく怒られてきたタイプです。褒められるほうが不安になってしまう(笑)。先生や上級生からたくさん注意されましたが、それには、理由があるわけです。しかも、そこには実は愛情があって、もっとよくなってほしいと思うから注意してくださるんですよね。注意するって、エネルギーを遣うことなのに、とてもありがたいこと。そう思います。逆の立場から自分を見てみると、つらいと思っている呪縛から溶けるかもしれませんね。
 

Q 自分に自信が持てなくなったらどうしたらいいですか?

自分のことは、自分ではなかなかわからないんですよね。でも、自分で自分を認めることは大事だと思うんです。みんなに「自分の長所を言ってみて」と聞くと言えなくて、「短所は?」って聞くと言える人が多い。でも、短所って裏を返せば長所。短所を認めてあげればそれは長所になるし、その人の魅力にもなると思うんです。私自身も、それがわかってからは短所も生かすようにしています。ありのままの自分の魅力に気付くことは大事なのだと思います。
 

Q 人間関係に悩みがちです。どうしたら人と上手くつきあえますか?

自分から質問してみると、そこから広がることはとても多い。私自身、上級生や仲間に色々なアドバイスをもらい見えてきたことがたくさんあります。こうやって、宝塚の100年の伝統は続いていくんだな、自分もそのひとつのパーツをになっているんだと思うとうれしくなります。宝塚でなくても人間関係は人と人とのつながり。何千何億と人がいるのに出会えたということが奇跡なのだから、自分から積極的に関わってみるといいかもしれません。
 

Q 休みの日は何をして過ごしていますか?

公演が終わってホッとひと息、というのが苦手なんです(笑)。終わると、仲間と反省会やひとり反省会という感じです。演じることには答えがないから毎回反省点が出てくるんです。休みの日も公演のDVDを観たり、美術館に行っても、この絵画の色使いはメイクに使えるかも、とか考えています(笑)。考えすぎるタイプなので、少しリセットできる余力は残していますが、基本、ほかは全部宝塚です(笑)。宝塚愛は誰にも負けないと思っています。
 

Q 座右の銘というか、大事にしている言葉はありますか?

幼いころに、祖父が書いてくれた10個の言葉があったんです。それを毎朝口に出して読んでいました。10項目すべては覚えていないんですが、そのなかで今でも大事にしているのが、「常にありがとうという感謝の気持ちを持つ」という項目。ありきたりの言葉かもしれませんが、これは生きるための基本だと思っています。舞台に立つときはもちろんですが、何をするにもこの言葉を忘れてはいけないと思って、心に刻んでいます。
 

Q 自分のことがあまり好きではありません。どうしたら好きになりますか?

私も自分が大嫌いな時期がありました。でも私の場合、自分を応援してくださるファンの方がいるのに、自分が自分を嫌いなんて本当に申し訳ないと思ったんです。だから、自分を好きになりたかったんですね。でも、そんな悩みがちという自分の短所は、私の個性でもある。ちょっとめんどくさい性格かもしれませんが(笑)、真剣に生きている証拠でもあるのかな、と思ったら、自分のことが嫌いじゃなくなりました。少し引いて見ることが大事です。
 

Q 落ち込んだとき、自分の心をどうやって回避させますか?

落ち込んだり、挫折感を味わって疲れているときは、ほかのもので私はカバーしません。回避させずにとことんどん底まで落ちるようにしています。考えて迷って迷って、底までいくからこそ、一筋の光が見えてくると思うんです。中途半端な状態で回避させてしまうと、結局答えも中途半端なものになってしまうと思うので、しっかりと落ち込んだほうが、上級生の言葉や先生の言葉、周囲の言葉が心に入ってくるように思います。
  

©宝塚歌劇団

初心者に捧ぐ!宝塚の魅力 基本の「き」

Q 1日2回公演のとき、間は何をしているの?

1時間半~2時間ぐらいある間の休憩。過ごし方は人それぞれ。多いのは、食事を取ったり、マッサージやストレッチなどのボディケアをする人。ほとんどの人は、一度メイクを落として再度メイクをし直すそう。

Q 男役と娘役は、いつ、どうやって決まるの?

宝塚音楽学校に入学してから、身長などを目安に自分で考えるといわれています。ただ、先生方や上級生などからアドバイスされることも。背が低すぎると男役にはあまり向かないようです。

Q 男役の人は男役以外はやらないの?

すべての男役が演じるわけではありませんが、男役が娘役を演じることは少なくありません。ショーだけで女装するときもあれば、芝居でしっかりと娘役を演じる時もあります。公演によって異なります。
 

<次回公演情報>
三井住友VISAカード シアター 宝塚グランドロマン『ベルサイユのばら』−オスカル編− 公演期間 5月2日~6月2日/宝塚大劇場 6月20日~7月27日/東京宝塚劇場

★がついた記事は無料会員限定

記事へのコメント コメントする

コメントを書く

コメントの書き込みは、会員登録とログインをされてからご利用ください

おすすめの商品
  • ピクシブ文芸、はじまりました!
  • 文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
  • 無理しないけど、諦めない、自分の磨き方
  • 時短、シンプル、ナチュラルでハッピーになれる!
  • ビジネスパーソンのためのマーケティング・バイブル。
  • 有名料理ブロガー4名が同じテーマでお弁当を競作!
  • ドラマこそ、今を映すジャーナリズム!
  • 砂の塔 ~知りすぎた隣人[上]
  • 小林賢太郎作品一挙電子化!
  • あなたがたった一人のヒーローになるためには?
朝礼ざんまい詳細・購入ページへ(Amazon)
文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作!
ピクシブ文芸、はじまりました!
エキサイトeブックス
今だけ!プレゼント情報
かけこみ人生相談 お悩み募集中!