前回の記事:『クッキングパパ』『深夜食堂』『野武士のグルメ』作者たちのひそかな食の楽しみ(前編)

 

俺のひとり飯

土山 みなさんは「ひとり」で食事をすることは多いですか? うえやまさんのところはネタ作りも含めてスタッフと一緒に料理をして、それを食べるんですよね。そうするとひとり飯をするチャンスなんてなかなか無いでしょう?

うえやま そうですね、スタッフと食べることも多いかな。〆切が迫ってくるとどうしてもボクだけ時間がズレてきちゃうから、ひとりで食べることが増えるけど、簡単に済ませちゃうかな。

安倍 外に食べに行くことは?

うえやま たまに行きますよ、時間を見つけて。夜はカミさんと二人で食事をすることがほとんどだから、昼の時間帯が多いかな。実は、地元でひとり飯をしたいときに行く店ってのが決まってるんですよ。普通の定食屋さんなんだけど、マンガがたくさん置いてあるの。雑誌じゃなくてコミック単行本。誰もボクのことを知らないし、誰も見てないから、マンガを読みながらダラ~っと飯が食えるんです。カツ丼やカレーライス、定食類も多いから、いつ行っても至福の時間が過ごせますよ。ただ、最近はマスターが話しかけてきて至福の時間を邪魔してくるときがあるから嫌なんだよな。

行儀が悪いといわれても、この至福の時間はやめられません

安倍 ボクは独り者なので食事は基本的にひとりですが、決まった店とかはないな。

土山 すると毎日が「野武士のグルメ」じゃないですか! 喰いたいものを食いたい店で食う、みたいな。

安倍 いやいや、家で作るときも多いし、外に行って食べるときもそんなに悩まないかもしれませんね。ただ、最近グルメサイトなんかでお店を探してる人が多いじゃないですか。あれはイヤですね。自分の欲求と自分の勘を信じたいです。その分、失敗が多いですけど(笑)

土山 野武士なら、それでいいんです! 野武士にスマホは似合わないから。そもそも持ってないし(笑)

安倍 でも、うえやまさんのいう至福の時間はありますよ。ボクはよく散歩をするんですが、住宅街に一軒の食料品店があるんです。そこで売ってるおにぎりが何故か絶品なんです。持ち帰り専用なので買って帰るんですが、途中で我慢できなくなって食べ始めてしまう。誰にも邪魔されない至福の時間です。誰が何と言おうが、あのおにぎりは歩きながら食べるのが美味いんです!

土山 ボクは近所のラーメン屋さんが定番ですね。最近ではあまり見られなくなった、定食やチャーハン、餃子やビールも大丈夫な中華料理屋ですね。「タンメンの日」に出てくるような感じです。ご主人はとても愛想のいい店ですけど(笑)。

うえやま そこでは何を食べるんですか?

土山  8割がたが「もやしそば」です。もやしそばといえば、普通はトロッとしたあんかけ風のもやし炒めじゃないですか。でもそこのは少し変わっていて、ニンニクが効いたシャキシャキ炒めなんです。それに加えて、なんとも説明できない澄んだ醬油スープ、素朴な感じの。後をひく美味しさというか、もう後を引き続けて20年になりますよ(笑)。その店は行列ができるわけじゃないけれど、昼も夜もほぼ満席。ほとんどが一人で来ている男性で、夜はだいたいの人が飲んでますね(笑)。あらためて見渡すと「野武士」ばかりですよ。

野武士の集う店はレバニラ炒めやチャーハンも絶品。おつまみも多く「ひとり飲み」にピッタリ。

安倍 その店だったら、ラーメンがぬるいなんて心配はいらなそうですね。(「悪魔のマダム」)

土山 大丈夫です! 油断すると火傷しますから(笑)

 

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